DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー
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DHBR 目次と読みどころ
<2007年12月号 2007年11月号 2007年10月号> 最新号とバックナンバーの紹介
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the EDITORS
2007年11月号の読みどころ
一流の経営
ベスト・プラクティスの罠

 一九九〇年代初め、ゼネラル・エレクトリック(GE)の前会長兼CEOのジャック・ウェルチは「スティール・ザ・ベスト」(最高のやり方を盗め)と、社員たちにはっぱをかけました。そして、このことは、八〇年代後半より始まったワークアウト運動において「ベスト・プラクティス」というアプローチとして、社内に定着していきます。
 ベスト・プラクティスは、国や業界を問わず、世界のなかで最も優れた方法をベンチマークし、それに学び、自社流に変更や修正を施したうえで導入していくという手法です。しかし、いくつか問題があります。
 よくあるのが「ハロー効果」です。つまり、優れた部分に目を奪われるあまり、その陰に隠れた部分について正しく評価できないという認知バイアスです。今号で紹介した企業の多くについて、ハロー効果があるといえます。最近では、トヨタではないでしょうか。
 組織はもちろん、あらゆるシステムが、「堅牢性」(あるいは頑健性)と「脆弱性」というトレード・オフを内包しています。しかも、堅牢性は脆弱性を必然的に伴います。ですから、トヨタのすべてが素晴らしいとはいえないでしょう。
 また、うのみによる思考停止というケースもあります。ハロー効果もその一つといえますが、とにかくまずいのが、自社の業界構造や組織特性と照らして精査することなく信じ込んでしまい、導入してしまうことです。古くはGEの経営手法を安易に真似てしまった例、最近ではPCのモジュール生産をいたずらに導入してしまった例などが、これに当たります。
 さらに、成功事例はえてしてフィクション──たいてはホワイト・ライ(美しい嘘)であったり、後づけだったりします──の部分があるものです。やはり距離を置いて客観的に判断する姿勢が欠かせません。
 ダレル・ハフ著の『統計でウソをつく法』(講談社ブルーバックス)よろしく、我々はもっともらしい数字や理論に弱いものです。二〇〇〇年にノーベル経済学賞を受賞した、計量経済学者のジェームズ・ヘックマンとダニエル・マクファデンは、初期値や前提条件を間違え、ミス・リードされた調査がいかに多いか、苦言を呈しています。
 以上のように、ベスト・プラクティスは眉にツバして聞くべきですが、時にはフィクションを承知のうえで学ぶべきストーリーが多いことも事実です。目的を実現させるためのイネーブリング・ツールとして活用するには効果大といえるでしょう。
 今号では、HBR誌の三〇年間を振り返り、時代を超えて学ぶに値するベスト・プラクティス四〇余社を集めてみました。資料性大です。
2007年11月号 一流の経営
定価 2,400円(税込) この本を購入
表紙
特集 一流の経営
偉大なる経営論[企業編]
弊誌昨年11月号では、HBRが発信した不朽の経営論を紹介したが、今回は[企業編]として、卓越した企業の実践例を特集する。
 
[PART I]リーダーの仕事は変革である
GE  効率経営を継承し、有機的成長を目指す
シーメンス  GE流経営とドイツの価値観の融合
IBM  ポストガースナー改革のビジョン
ネスレ  漸進的進化のマネジメント
UPS  伝統的大企業の自己変革
マテル  現場を歩き回る経営
モトローラ  技術志向と顧客志向のジレンマ
リーバイ・ストラウス  価値観の経営
セムコ  自由奔放のマネジメント
海爾集団  現場主義の経営
[PART II]組織は戦略に従う
P&G  コネクト・アンド・ディベロップ戦略
ウォルマート  ビジネス生態系の戦略
シルク・ドゥ・ソレイユ  ブルー・オーシャン戦略
アドビ・システムズ  イノベーションの上市戦略
利豊集団  レバレッジ成長戦略
アンハイザー・ブッシュ  大企業の「反」革命戦略
レッドハット  インテグレーティブ・シンキング
ナイキ  マーケティング・フォーカスの転換
ブリティッシュ・エアウェイズ  顧客経験のデザイン
ハラーズ・エンタテインメント  カスタマー・フォーカス経営
LVMH  スター・ブランドの育成法
エイボン・プロダクツ  コーズ・ブランディング
HP  第三世界との共進化
ケンダル・ジャクソン  新贅沢財マーケティング
ユニリーバ  「スピルバーグ式」CM効果分析
[PART III]革新に限界はない
トヨタ自動車  継続的改善の力
ザラ  スペイン版「トヨタ生産方式」
BMW  創造性を守るマネジメント
3M  創発の製品開発力
伊プラト地区  付加価値パートナーシップ
メイヨークリニック  エビデンス・マネジメント
ワールプール  消費者起点のSCM
リン・プロダクツ  一人生産方式は分業に勝る
[PART IV]グッド・ピープル・カンパニーを創造する
ジェットブルー航空  感謝と奉仕の企業文化
DHL  サッカーで結束するグローバル企業
サウスウエスト航空  従業員に投資する経営
コンチネンタル航空  社員のやる気を引き出すボーナス制度
SASインスティテュート  クリエイティブ資本のマネジメント
フェラーリ  「創造性開発」トレーニング
ポルシェ  インターンシップで製品開発を加速する
BP  全世界一万人の現場マネジャー改造計画
トリロジー・エンタープライゼス  新入社員を即戦力化する企業内大学プログラム
エンタープライズ・レンタカー  顧客満足度で社員を評価する
コストコ  従業員満足が生産性を高める
ワワ  従業員は「生きたブランド」である
フリート・バンク  二人三脚のワーク・ライフ・バランス
六つの戦略モデルから考察する
BRICsプラスの優良企業100社
記事詳細
太田直樹  ボストン コンサルティング グループ パートナー&マネージング・ディレクター
後藤将史  ボストン コンサルティング グループ プロジェクト・リーダー
OPINION
競争条件の均等化を望む
斉藤 惇  東京証券取引所グループ 代表執行役社長
Serial Article
立石一真ものがたり「できません」と云うな
【第五回】夢のスイッチ
記事詳細
湯谷昇羊  ダイヤモンド社 論説委員
CHIEF OFFICERS
インスタント写真のガリバーからデジタル・イメージングのリーダーへ
トーマス・ボードウィン  ポラロイド 社長兼COO兼CFO
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