UPDATED FRI. JUL 30. 2010
ハーバード・ビジネス・レビューとは
「デジタル化における戦略」
次号の特集では、マッキンゼー賞を受賞した論文、全てを紹介します。マッキンゼー賞は1959年に始まり、最新の受賞があった2009年で、ちょうど50周年になります。この間に受賞した論文は110本、そのなかの一つに、マイケル・E・ポーターの「戦略の本質は変わらない」(2001年05月号)があり、次号にサマライズを掲載します。
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2007年6月号の読みどころ
「勝利」の戦略論
n対nの競争
「自分が成功するだけでは不十分だ。相手が失敗しなければならない」
これは、アメリカの小説家、ゴア・ヴィダル――日本では『都市と柱』『リンカーン』(共に本の友社)の二冊が翻訳されています――の言葉で、現在エール・スクール・オブ・マネジメント教授のバリー・J・ネイルバフとニューヨーク大学スターン・スクール・オブ・ビジネス教授のアダム・M・ブランデンバーガーの共著『コーペティション経営』(日本経済新聞社)の冒頭で紹介されている一文です。
ネイルバフとブランデンバーガーはその一方で、アメリカ第二八代大統領ウッドロー・ウィルソンと第三二代大統領フランクリン・ルーズベルトの経済顧問を務めたバーナード・バルーチの言葉を紹介しています。
「自分自身が輝くために、他人の光を消す必要はない」
競争の前提が変われば、勝利の要件も変わります。いまや多くの業界では、一見一対一の戦いのようでも、バリューチェーン対バリューチェーン、あるいはライバルや補完企業を巻き込んだプラットフォーム対プラットフォームといった、n対nの競争に変わっています。
今号三六ページの「デファクト・スタンダードの真実」を読むと、昨今の規格競争は、もちろん例外はあるにしても、n対nの様相を見せており、また戦局は目まぐるしく変化していくことが理解できます。その結果、これまで信じられていた「デファクト・スタンダードを獲得すれば、長期的に市場を支配できる」という定説は、もはや迷信と化してしまっています。
五二ページの「補完企業との戦略的パートナーシップ」は、補完財を提供するプレーヤーの重要性を指摘していますが、これもまたn対n競争の要諦を示すものです。この点は、先に紹介した『コーペティション経営』でも触れられています。
そして六八ページの「ツー・サイド・プラットフォーム戦略」は、まさしくn対n競争のエコノミクスを明らかにするものです。
本稿では、「市場の二面性」(two-sided market)を前提に論が展開されていますが、去る三月下旬、筆者らの共同研究者の一人、ハーバード・ビジネススクール准教授のアンドレア・ハジウが来日し、さらに一歩進めた「市場の多面性」(multi-sided market)のビジネスモデルについてプレゼンテーションし、その勝者はネットワーク外部性と収穫逓増の法則により、大きな利益にあずかれると述べています。
戦略やビジネスモデルの再構築はもとより、コア事業の見直しという意味でも、これら三本の論稿に示された知見は意味深長であり、きわめて実学的といえるものです。
2007年6月号
「勝利」の戦略論
定価 2,200円(税込)
特集
「勝利」の戦略論
規格競争の「新しい現実」を探る
デファクト・スタンダードの真実
山田英夫
早稲田大学ビジネススクール教授
「ハード・パワー」と「ソフト・パワー」を駆使する
補完企業との戦略的パートナーシップ
デイビッド・B・ヨッフィー
ハーバード・ビジネススクール教授
メアリー・クワック
元 ハーバード・ビジネススクール リサーチ・アソシエート
「市場の二面性」のダイナミズムを生かす
ツー・サイド・プラットフォーム戦略
トーマス・アイゼンマン
ハーバード・ビジネススクール准教授
ジェフリー・パーカー
テュレーン大学 A・B・フリーマン・スクール・オブ・ビジネス 准教授
マーシャル・W・バン・アルスタイン
ボストン大学 スクール・オブ・マネジメント 准教授
ライバルを出し抜く
カーブボール戦略
ジョージ・ストーク・ジュニア
ボストン コンサルティング グループ シニア・ヴァイス・プレジデント
ビジネスモデルの寿命は短縮化している
新たなコア事業を発見する法
クリス・ズーク
ベイン・アンド・カンパニー ディレクター
六つのステップで実践する
アフター・サービスの収益モデル
モリス・A・コーエン
ペンシルバニア大学 ウォートン・スクール 教授
ナレンドラ・アグラワル
サンタクララ大学 リービー・スクール・オブ・ビジネス 准教授
ビプール・アグラワル
MCAソリューションズ 共同設立者兼製品担当エグゼクティブ・バイス・プレジデント
「規模の経済」「ローカル適応」「差異の利用」
トリプルAのグローバル戦略
パンカジュ・ゲマワット
ハーバード・ビジネススクール 教授
OPINION
業績予想はやはり必要だ
花堂靖仁
早稲田大学 ビジネススクール 教授
HBR Articles
多国籍企業の限界と現地企業の躍進
新興市場で成長する企業の条件
タルン・カナ
ハーバード・ビジネススクール 教授
クリシュナ・G・パレプ
ハーバード・ビジネススクール 教授
明日のマネジメントの糧となる
二〇〇七年のパワー・コンセプト(中)
ハーバード・ビジネス・レビュー編集部
7 常時接続シンドローム
リンダ・ストーン
コンサルタント
8 賢いM&AはPEファンドに学ぶ
マイケル・C・マンキンズ
ベイン・アンド・カンパニー パートナー
9 無意識の意思決定力
アプ・ダイクステルハウス
ラドボウド大学ナイメーヘン校 教授
10 XBRLの衝撃
ロバート・G・エクレス
パーセプション・パートナーズ 創立者兼マネージング・ディレクター
リブ・ワトソン
EDGARオンライン バイス・プレジデント
マイク・ウィリス
プライスウォーターハウス・クーパーズ共同パートナー
11 イノベーションと富を増やす法則
ジェフリー・B・ウェスト
サンタフェ研究所 所長
12 「葛藤する消費者」の影響力
カレン・フレーザー
フレーザー・コンサルタンシー 設立者
13 保守化が家父長制を復活させる
フィリップ・ロングマン
ニュー・アメリカ財団 シニア・フェロー
HBR Case Study
リーダーシップに「型」は必要か
コンピテンシー・モデルを本当に導入すべきなのか
[コメンテーター]
リューベン・マーク
コルゲート・パルモリーブ 会長兼CEO
レベッカ・レイ
マスターカード・ワールドワイド シニア・バイス・プレジデント
ジョージ・マンダーリンク
ハイドリック・アンド・ストラグルズ パートナー
デイビッド・ウルリッチ
ミシガン大学 スティーブン・M・ロス・スクール・オブ・ビジネス 教授
[ケース・ライター]
マイク・モリソン
ユニバーシティ・オブ・トヨタ バイス・プレジデント
BRAIN FOOD
戦争ゲームが戦略プランニングを変える
ジェフ・ケアーズ
アリデード・コーポレーテッド CEO
ジム・ミスケル
アリデード・コーポレーテッド コンサルタント
サプライチェーンを一般家庭まで延ばす
ピーター・J・マックゴールドリック
マンチェスター・ビジネススクール 教授
ピーター・M・バートン
アクセンチュア コンサルタント
幸福の世界地図
ハーバード・ビジネス・レビュー編集部
イノベーション・キャピタリストを活用せよ
サティッシュ・ナンビザン
レンセラー・ポリテクニック・インスティテュート ラリー・スクール・オブ・マネジメント・アンド・テクノロジー 准教授
モハンビール・ソーニー
ノースウェスタン大学ケロッグ・スクール・オブ・マネジメント 教授
知財リスクを恐れず、中国にR&D施設をつくる
ダニエル・バセラ
ノバルティス 会長兼CEO
BOOKS in REVIEW
「ワーク・ライフ・バランス」が求められる社会構造
武石恵美子
法政大学 キャリアデザイン学部 教授
CHIEF OFFICERS
日本発のソフトウエア・ビジネスを一〇〇年続くグローバル企業にする
平野洋一郎
インフォテリア 代表取締役社長兼CEO
McKinsey Awards
二〇〇六年度マッキンゼー賞受賞論文
<2007年7月号
2007年6月号
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