DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー
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DHBR 目次と読みどころ
<2006年05月号 2006年04月号 2006年03月号> 最新号とバックナンバーの紹介
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the EDITORS
2006年4月号の読みどころ
「決断」の科学
意思決定は「非線形」である

 一九世紀後半から二〇世紀初頭にかけて、近代科学の金科玉条である「要素還元主義」に、さまざまな異論が唱えられるようになります。すなわち、一つのシステムを個々の部分に分解し、それぞれを分析し、その結果を総合しても、もともとのシステム全体を知ることができないという指摘であり、いわゆる「脱要素還元主義」です。
 その後――科学にパラダイム・シフトが起こったといわれますが――「複雑系科学」という、要素還元と脱要素還元が交錯する世界が生まれます。本特集を読んでいただければおわかりになるように、意思決定という人為も、科学の世界と同じといえましょう。
 これまで、意思決定プロセスを分解し、それぞれの質を向上させることで、プロセス全体の、ひるがえっては最終的な意思決定の質を向上できるというのが前提でした。しかし、脳科学や認知科学、心理学などの研究から、人間の直感や経験則の重要性――時には、論理実証主義的なアプローチよりも優れている――が指摘されるようになりました。この点において、今号六〇ページの「脳の意思決定メカニズム」という論稿は大変興味深いリポートになっています。
 脳と意思決定に関しては、養老孟司氏の『バカの壁』(新潮新書)もいいですが、ビラヤヌール・S・ラマチャンドラン『脳のなかの幽霊、ふたたび』(角川書店)がお勧めです。これは同氏の『脳のなかの幽霊』(角川21世紀叢書)の続編です。脳研究の最先端について、文系諸氏にもわかりやすく解説しています。ちなみに、ラマチャンドランはカリフォルニア大学サンディエゴ校神経科学研究所所長です。
 また認知科学からのアプローチとしては、日本認知科学会著『合議の知を求めて:グループの意思決定』(共立出版)はいかがでしょう。
 本書は、集団的意思決定のパフォーマンスのほうが、なぜ一個人が下した意思決定のそれよりも低いのか、またどうすれば改善できるのかについて解説しています。日本の組織では、民主的な議論とコンセンサスが重視されます。もちろん、それが優れた意思決定を生み出すシステムにバージョン・アップされているならば問題ありませんが、多くは社会常識的に踏襲しているだけではないでしょうか。
 また、本誌二〇〇二年一月号でインタビュー記事に登場していただいた、慶應義塾大学塾長の安西祐一郎教授の『問題解決の心理学』(中公新書)は、認知科学のフレーム・ワークによって、「情報処理システムとしての人間」の日常的な思考と行動について解説します。いかに論理的に考え、行動しているようでも、感情や経験に大きく支配されているかが、よくわかります。
2006年4月号 特集:「決断」の科学
定価 2,000円(税込) この本を購入
表紙
特集 「決断」の科学
古代占星術から複雑系科学まで
意思決定科学の歴史
記事詳細
リー・ブキャナン  HBR シニア・エディター
アンドリュー・オコネル  HBR マニュスクリプト・エディター
最新研究が教える「無意識」の力
脳の意思決定メカニズム
記事詳細
ガーディナー・モース  HBR シニア・エディター
直観や経験に依存した意思決定を超える
エビデンス・マネジメント
記事詳細
ジェフリー・フェッファー  スタンフォード大学経営大学院 教授
ロバート・I・サットン  スタンフォード大学 エンジニアリング・スクール 教授
無意識に重要情報を排除する
「意識の壁」が状況判断を曇らせる
記事詳細
マックス・H・ベイザーマン  ハーバード・ビジネススクール 教授
ドリー・チュー  ハーバード・ビジネススクール 研究生
新たなる競争優位の獲得
分析力で勝負する企業
記事詳細
トーマス・H・ダベンポート  バブソン大学 教授
役割を明確にすれば、組織能力が上がる
意思決定のRAPIDモデル
記事詳細
ポール・ロジャース  ベイン・アンド・カンパニー・パートナー
マルシア・ブレンコ  ベイン・アンド・カンパニー・パートナー
ボトルネックは戦略プランニングにある
戦略立案と意思決定の断絶
記事詳細
マイケル・C・マンキンズ  マラコン・アソシエーツ マネージング・パートナー
リチャード・スティール  マラコン・アソシエーツ パートナー
OPINION
変化を意識する
北原保雄  日本学生支援機構 理事長
HBR Articles
パッシブ・リスクを減らし、付加価値リスクを増やす
事業運営にもデリバティブを応用せよ
記事詳細
ロバート・C・マートン  ハーバード・ビジネススクール 教授
HBR Case Study
意思決定プロセスを見直す
コンセンサス重視か、建設的な対立か
[コメンテーター]
クリストファー・J・マコーミック  L・L・ビーン 社長兼CEO
ハウケ・モジェ  ローランド・ベルガー・ストラテジー・コンサルタンツパートナー
ラルフ・ビガダイク  コロンビア・ビジネススクール 教授
ポール・ドモースキー  アビヤ バイス・プレジデント
[ケース・ライター]
デイビッド・A・ガービン  ハーバード・ビジネススクール 教授
BRAIN FOOD 1
ビジネス書評家のビジネス書の読み方
ロバート・モリス  インターネット書評家
倫理問題に傍観は許されない
ジュディス・サミュエルソン  アスペン・インスティテュート エグゼクティブ・ディレクター
メアリー・ジェンティル  アスペン・インスティテュート ディレクター
CFOの憂鬱
クルト・ライゼンバーグ  CFOエグゼクティブ・ボード マネージング・ディレクター
ループ型チャートの罠
ガーディナー・モース  HBR シニア・エディター
イゾラ・グループの「カイゼン」活動
イェルク・グナム  べイン・アンド・カンパニー パートナー
クラウス・ノイハウス  べイン・アンド・カンパニー パートナー
「バナナ戦争」に学ぶ
マルセロ・ブハイリ  イリノイ大学 経営学部 助教授
ロイヤル・ダッチ・シェル:統合後のガバナンス改革
ニコラス・ビール  サイテブ ディレクター
BRAIN FOOD 2
GMが凋落した歴史的原因
ジャック・トラウト  トラウト・アンド・パートナーズ 社長
納品の「隠れたコスト」
レムコ・ファン・フック  クランフィールド経営大学院 客員教授
デイビッド・エバンス  コーポレート・エクゼクティブ・ボード 理事
「眠れる通商条項」が目覚める時
ラリー・ダウンズ  カリフォルニア大学バークレー校 講師
ブログはリーダーの新しい仕事
ジョナサン・シュワルツ  サン・マイクロシステムズ 社長兼COO
在宅医療のビジネスチャンス
エイミー・ザルツハウアー  イグニッション・ベンチャーズ 創設者兼CEO
産業スパイはすぐ側にいる
H・キース・メルトン  セキュリティ・コンサルタント
BOOKS in REVIEW
サービスにイノベーションを
亀岡秋男  北陸先端科学技術大学院大学 知識科学研究科 教授
CHIEF OFFICERS
「人こそ財産」を具現化する営みとは
マーク・ノイコム  ザ・リッツ・カールトン大阪 総支配人
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