DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー
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DHBR 目次と読みどころ
<2006年04月号 2006年03月号 2006年02月号> 最新号とバックナンバーの紹介
FROM
the EDITORS
2006年3月号の読みどころ
戦略の定石 戦略の死角
利益メカニズムへの理解

 本特集では、『キャズム』で一躍有名になったジェフリー・ムーアが「すべての企業に『利き手』がある」(四六ページ)のなかで、再び多角化の罠について触れています。M&Aであろうと、そうでなかろうと、既存のバリューチェーンの経済性を損なわせるような拡大策、ひるがえって、規模の経済、範囲の経済が働かない多角化は競争優位を失わせると述べています。
 また、ハーバード・ビジネススクール史上、ジョン・コッターの三三歳という最年少正教授の記録を塗り替え、正教授になったパンカジュ・ゲマワットが「グローバル競争とリージョナル戦略」(五八ページ)で、そしてコロンビア・ビジネススクール教授のブルース・グリーンワルドも「シンク・ローカル、アクト・ローカル」(七二ページ)で、いたずらな拡大はかえって規模の不経済、範囲の不経済を招き、競争優位を失うと警鐘を鳴らしています。
 ビジネスの基本ルールは、当たり前のことなのですが、「売上げを最大化して、コストを最小化する」ことです。とはいえ、売上げを増やすには、コストも増やさなければならないわけですから、矛盾でもあるわけです。
 この矛盾をいかにバランスさせ、売上げからコストを差し引いた「利益の最大化」を実現できる人こそ、戦略家といえるのではないでしょうか。経営の合理化だけでも、コストを無視した拡大策だけでも、うまくいかないことは多くの人が知るところですが、利益のメカニズムを理解できている人――もちろん、これを理解しただけで戦略家とは言い切れませんが――は少ないのではないでしょうか。
 そこで、次の三冊を紹介します。

 ●W・ブライアン・アーサー『収益逓増と経路依存』(多賀出版)
 ●菊地徹『収穫逓増と不完全競争の貿易理論』(勁草書房)
 ●マルコム・グラッドウェル『ティッピング・ポイント』(飛鳥新社)

 収穫逓増とは、要するに規模の経済のことです。先の二冊はいずれも専門書ですが、通読する必要はないでしょう。多くの経済学のテキストは収穫逓増の法則についてはあまり詳しく説明していません。
 また、『ティッピング・ポイント』はまったく別分野、特に流行はどうして起こるのかについて言及した書籍ですが、S字曲線の意味、とりわけ「閾値(しきいち)」(クリティカル・マス)の概念を知るうえで、わかりやすいのではないでしょうか。ちなみに閾値とは、利益メカニズムにおいて、急激に利益が上昇するポイント、つまり収穫逓増が働き始めるポイント、ひるがえって、経営資源を投入し続けるべきポイントを意味しています。
2006年3月号 特集:戦略の定石 戦略の死角
定価 2,000円(税込) この本を購入
表紙
特集 戦略の定石 戦略の死角
複雑系モデルか大量生産モデルかを見極めよ
すべての企業に「利き手」がある
記事詳細
ジェフリー・A・ムーア  TCGアドバイザーズ 社長
五つの戦略タイプで海外事業をとらえ直す
グローバル競争とリージョナル戦略
記事詳細
パンカジュ・ゲマワット  ハーバード・ビジネススクール 教授
グローバリゼーションは競争優位を損なう
シンク・ローカル アクト・ローカル
記事詳細
ブルース・グリーンワルド  コロンビア・ビジネススクール 教授
ジャッド・カーン  ハミングバード・マネジメント プリンシパル
BSCだけでは戦略は実現しない
戦略管理オフィスの活用法
記事詳細
ロバート・S・キャプラン  ハーバード・ビジネススクール 教授
デイビッド・P・ノートン  バランス・スコアカード・コラボレーティブ 創業者兼社長
変化の予兆に気づく能力
生き残る企業は「周辺視野」が広い
記事詳細
ジョージ・S・デイ  ペンシルバニア大学 ウォートン・スクール 教授
ポール・J・H・シューメーカー  ディシジョン・ストラテジーズ・インターナショナル 創立者兼会長
ビジネスの複雑性を管理する
「イノベーションの均衡点」を探せ
記事詳細
マーク・ゴットフレッドソン  ベイン・アンド・カンパニー パートナー
キース・アスピネル  ベイン・アンド・カンパニー シニア・パートナー
OPINION
オタク市場のインパクト
森永卓郎  三菱UFJリサーチ&コンサルティング客員研究員
HBR Articles
取締役会が知るべき四つのモード
ITガバナンスの選択
記事詳細
リチャード・ノラン  ハーバード・ビジネススクール 名誉教授
F・ウォレン・マクファーラン  ハーバード・ビジネススクール 名誉教授
八つの基本原則を検証せよ
GBSC:企業行動規範の世界標準
記事詳細
リン・ペイン  ハーバード・ビジネススクール 名誉教授
ロヒト・デシュパンデ  ハーバード・ビジネススクール 名誉教授
ジョシュア・D・マーゴリス  ハーバード・ビジネススクール 准教授
キム・エリック・ベッチャー  元 ハーバード・ビジネススクール リサーチ・アソシエート
HBR Case Study
サンタクロースと妖精たちの困惑
需要予測の改善か生産計画の見直しか
[コメンテーター]
M・エリック・ジョンソン  ダートマス・タック・スクール・オブ・ビジネス 教授
ホルスト・ブランドスタター  ジオブラ・ブランドスタター オーナー
ウォレン・H・ハウスマン  スタンフォード大学 マネジメント・サイエンス・アンド・エンジニアリング学部 教授
アン・オムロッド  ジョン・ゴールト・ソリューションズ CEO
[ケース・ライター]
エリック・マクナルティ  ハーバード・ビジネススクール・パブリッシング マネージング・ディレクター
BOOKS in REVIEW
戦略的に経営者を育成する
長田貴仁  神戸大学大学院 経営学研究科 助教授
CHIEF OFFICERS
成長を続けるためのプライシングとは
八剱洋一郎  ウィルコム 代表取締役社長
BRAIN FOOD 1
ポストM&Aにアウトソーシングを活用する
ジェーン・C・リンダー  アクセンチュア 戦略的変革研究所 主任研究員
CSRは業績に貢献しない
デイビッド・ボーゲル  カリフォルニア大学バークレー校 ハース・スクール・オブ・ビジネス 教授
石炭の世界的復権
エイミー・ザルツハウアー  イグニッション・ベンチャーズ 創設者兼CEO
マーケティングROIのジレンマ
ケビン・J・クランシー  コペルニクス・マーケティング・コンサルティング 会長兼CEO
ランディ・L・ストーン  マーケティング・マネジメント・アナリティクス CEO
ひらめきは出発点にすぎない
ハロルド・エバンズ  ジャーナリスト
放置されているハラスメント
ガーディナー・モース  HBR シニア・エディター
現場の意思決定を科学する
フランク・ローデ  フェア・アイザック・コーポレーション バイス・プレジデント
議決権が売買される時代
ルー・ルー・ラン  シンガポール大学ビジネススクール 教授
ロイゾス・ヘラクリアス  オックスフォード大学 テンプルトン・カレッジ フェロー
BRAIN FOOD 2
経済学者の数学病
エマニュエル・ダーマン  コロンビア大学 金融工学プログラム ディレクター
プラットフォームの可能性を見逃すな
ジョン・スビオクラ  ダイヤモンド・クラスター・インターナショナル グローバル・マネージング・ディレクター
アンソニー・J・パオーニ  ダイヤモンド・クラスター・インターナショナル 副会長
官僚主義の語源
ウィリアム・H・スターバック  オレゴン大学 チャールズ・H・ランドクィスト・カレッジ・オブ・ビジネス 教授
CDO:多様性からイノベーションを生み出す
フランズ・ジョハンソン  コンサルタント
ブランドと株価の時間差ある関係
ナタリー・ミジック  コロンビア・ビジネススクール 助教授
ロバート・ヤコブソン  ワシントン大学ビジネススクール 教授
創業経営者か、ベテラン経営者か
マーチン・L・マーテンズ  コンコルディア大学 ジョン・モルソン・スクール・オブ・ビジネス 助教授
おまけに釣られない消費者こそ上客
ポール・M・ドラキア  ライス大学ジェス・H・ジョーンズ経営大学院 助教授
アメリカ企業はまだまだ成長できる
レーカ・サンパス  デロイト・サービス マネジャー
アジト・カンビル  デロイト・サービス ディレクター
COO探しこそ難しい
アン・リム・オブライエン  ハイドリック・アンド・ストラグルス・インターナショナル シニア・パートナー
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