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新興市場を読み解く |
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弊誌では新興市場に焦点を絞って特集を組むことがあります。『チャイニーズ・スタンダード戦略』(2004年3月号)、『インド・インパクト 第三の新大陸』(2005年5月号)、『BRICs 30億人市場の近未来』(2006年5月号)がそれです。
BRICsはオフショアリングをはじめ生産国としての魅力を持つと同時に、最大規模の消費国としても注目を浴びていますが、どちらに着目しようとも、常にリスクとチャンスの両面が語られます。リスクを恐れ慎重になりすぎてはならず、チャンスに拙速であってもならない。
本誌特集でも、どちらかに傾倒することなく、リスクとチャンスの両面を第一線の方々が語っています。新興市場の多様性の理解にお役立てください。 |
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関連論文掲載のDHBR |
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| 2006年5月号 |
特集:BRICs 30億人市場の近未来 |
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| FROM the EDITORS ― この号の読みどころ ― |
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| もう一度、国際化に燃えられるか |
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本特集を企画するに当たって、インターネットでの検索調査のほか、三〇冊余りの本に目を通しました。そのなかで、特集論文の内容をより深める書籍についてご紹介します。
学生の頃、ドストエフスキーやトルストイを読んだ経験から、ロシアには何とも暗いイメージを抱いていましたが、HBRロシア編集長によれば「ロシア人は楽天家」で「ゼロサム志向」なのだそうです。とはいえ、政治が経済を支配する国であり、天然資源をめぐる利権とその奪い合いがロシア経済、そして他国との関係を読み解くカギのようです。そもそもロシアに関するビジネス関連書は少ないのですが、アンナ・ポリトコフスカヤ『プーチニズム:報道されないロシアの現実』(NHK出版)を推薦します。また周辺諸国との関係という意味では、大前研一『東欧チャンス』(小学館)が視野を広げる一助となりました。
ブラジルに関するビジネス書となると、一九九四年に発行されたリカルド・セムラー『セムラーイズム』(新潮社)くらいしか思い浮かばず、実際あれこれ検索してもお目当てのものは見つかりませんでした。これはリポートですが、日本貿易振興機構『在中南米日系進出企業の経営実態:二〇〇四年度調査』が編集作業を進めるうえで、大変役に立ちました。ブラジルはけっして遠い国ではないことを実感。
インドは二〇〇五年五月号で特集したこともあり、向こう一年に発行されたものから選んでみました。手前味噌ですが、弊社から刊行された島田卓『巨大市場インドのすべて』(ダイヤモンド社)が網羅性と資料性に富んでいます。本書だけに限りませんが、インド経済にまつわる書籍を読むと、「いっちょう、ここはインド投資信託でも買うか」という気になります。
本特集では、こと中国に関しては「人材」に焦点を当てています。HBR中国編集長の論文ではソニー・チャイナを大変高く評価しています。そこで、同社の東アジア人事戦略部統括部長を務められた中田研一郎氏の『ソニー:会社を変える採用と人事』(角川学芸出版)をお勧めします。第五章「東アジア採用戦略」と第六章「大連BPO」は、特集論文の理解をいっそう深めてくれる内容でした。
このほか、BRICs戦略に関する論文などを読むに、その攻略には、「コンティンジェンシー」、すなわち状況への臨機応変な適応能力が肝心のようです。これは八〇年代の国際化時代の戦略コンセプトです。この四半世紀の間、日本人はすっかり利口になり、静的な論理で考えるようになりました。出来上がったシステムは不可逆とはいえ、いま一度国際化に燃えていた時代を思い出してみてもよいのではないでしょうか。
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| 2005年5月号 |
特集:インド・インパクト:第三の新大陸 |
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| FROM the EDITORS ― この号の読みどころ ― |
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| おかげさまで創刊200号 |
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創刊二〇〇号ということで、まだどのビジネス誌も特集していない「インド」を取り上げました。
大前研一氏は、マッキンゼー時代を言うまでもなく、いまや世界的なIT企業へと成長したインフォシスやサティヤムと合弁会社をつくったり、インド企業から講演を頼まれたり(この秋には一〇万人を収容するスタジアムで講演するそうです)と、インドと二〇年近くつき合っています。特集1は、インサイダー以上にインドに詳しい同氏に、インド人とのつき合い方、インド市場の攻め方について聞きます。
榊原英資氏は、ウィプロという、これまたインド四大IT企業の社外取締役を務めており、大前氏同様、インドと一方ならぬ関わりを持っている日本人の一人です。特集2は、同氏の研究テーマであるアジア経済の研究を踏まえながら、インドの過去・現在・近未来を読み解きます。近々『榊原英資 インド巨大市場を読みとく』が東洋経済新報社から発行されるそうです。
インド人エコノミストといえば、ノーベル経済学賞を受賞したアマルティア・セン、コロンビア大学のジャグディッシュ・バグワティなどが浮かんできますが、いま一押しなのが、特集3の筆者、ラグラム・ラジャンです。インド経済は好調とはいえ、まだまだいろいろな問題を抱えています。インドの光と影について解説します。
マッキンゼーで一〇年間、マネージング・ディレクターを務めたラジャト・グプタは、インドにビジネススクールを創設しました。スタッフ、協賛企業、教授陣、いずれを見ても、ため息が出るような面々ばかりです。特集4では、この「インド・スクール・オブ・ビジネス」プロジェクトについて紹介します。
特集5は、インドを読み解くバイブルの一つ、『21世紀のインド人』(平凡社)の著者であり、またインド・エリート・ビジネスマンの体験記『喪失の国、日本』の訳者でもある山田和氏のフォト&エッセーです(氏は写真家でもあります)。インド人の生活に密着してきた同氏ならではのインサイトにあふれています。
そして特集6は、我々編集部のインド・リポートです。このなかで外資を含めた八社について紹介していますが、これらはインド産業界のほんの一部です。なお、日本ではタタ財閥系をはじめ、四社くらいしか、インド株を購入できないそうですが(投資信託などはあります)、ずばり買いです。ITやBPOは急成長していますが、そのほか自動車や不動産、鉄鋼、アグリなど、これから楽しみな企業がてんこ盛りです。また、中国に比べれば、市場は整備されていますし、ディスクロジャーも進んでいます。早く規制緩和してほしいものです。
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| 2004年3月号 |
特集:チャイニーズ・スタンダード戦略 |
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| FROM the EDITORS ― この号の読みどころ ― |
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| 「中庸」再考:組織の好奇心を求めて |
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「組織の記憶」とは、まったくやっかいなものです。
今号寄稿されたマッキンゼー・アンド・カンパニーの澤田泰志氏のみならず、今回の特集に当たってお話をうかがった方々は異口同音に、一九八〇年代の中国ブームにおいて、現地で奮闘された方々の多くがその苦労ゆえに、現在の中国ブームに慎重となるあまり、意思決定が遅くなり、海外のライバルに後れを取っていると、おっしゃっていました。
「羹に懲りて膾を吹く」――たしかベンチャー・ブームが再来した時も同様でした。また逆に、成功ゆえに新しいことができないという、いわゆる「成功のジレンマ」もあれば、過去に実績のないことは避けて通る「前例主義」(あるいは事なかれ主義)、未経験のことにはチャレンジしない「保守主義」なども、この組織の記憶の弊害といえましょう。
とはいえ、慎重さは、もはや不確実性と仲良くつき合っていかなければならない時代にあって、美徳として奨励されるべきものでもあります。もはや「いけいけドンドン」では、人心を動かすことはできません。
今号の特集では述べられていませんが、かつて多くの名経営者が述べた「中庸」について、どうでしょう、再考してみるのは。中庸というのは「どっちつかず」という意味ではありません。むしろ矛盾やトレード・オフの存在をわきまえたうえで、何らかの解決を見出すという、とてもクリエイティブな営みではないでしょうか。
たとえば、組織の悪しき記憶を踏まえながらも、組織の好奇心を鼓舞する、そんな中庸があってもよいのではないでしょうか。
今号の特集は、八本の論文で構成されていますが、三つに大別されます。
特集1・2・3、そして8は、きわめて実践的な事業戦略上の課題に集中しています。個人的には、特集2の「なぜ中国戦略に失敗するのか」が勉強になりました。これはぜひ読んでみてください。
また特集1は労働コストゆえに日欧米企業にはできない中国企業の強みを述べています。ただし、特集4を併読すると(そして日本や韓国の発展の歴史を重ね合わせると)、これも一過的なものであり、「さて一〇年後どうするか」と考えたくなります。
特集4・5は、マクロとミクロの両面で考えさせられます。
特集6・7は、中国のポイントを衝く、という点で打ってつけです。これであなたも「中国通」。
いまや中国市場を知らずして、国内市場は語れませんよ。日本企業が国際的に躍進を遂げた八〇年代を知る欧米ビジネスマンは、やはり優れた人たちでした――。
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