2012年6月号 特集 アメリカ経済の正念場「競争力」再生 それは日本への教訓か 記事詳細

■ 特集 アメリカ経済の正念場「競争力」再生 それは日本への教訓か

成果と失敗から検証する 金融システムを正常化する処方箋

この30年で、アメリカの金融部門がGDPに占める割合は拡大し、雇用と報酬は大きく伸びた。しかし、この金融部門の成功はアメリカ経済にプラスの効果ばかりをもたらしてきたわけではない。

たしかにプロによる資金運用が進み、ベンチャー・キャピタルやプライベート・エクイティ・ファンドが台頭したおかげで、活気のある起業部門が育ちIT産業や通信産業は発展を遂げ、ビジネスモデルの改革やイノベーションの創出は促された。しかし、金融システムの役割であるリスクの管理・分散や資本の適正な分配、貯蓄の促進という点では問題を抱えてきたと言わざるをえない。具体的に言えば、証券化の動きは金融システムの不安定化を招き、住宅金融への過剰な支援がシステムを歪めた。また高額の資本運用手数料は投資コストを押し上げ、金融部門の報酬を増やした。それが優秀な人材を金融部門に集中させ、人材の分配を歪めるという状況を招いている。

本稿では、金融システムの役割を整理し、これまでの成果と失敗を検証しながら、アメリカの金融システムが本来の機能を取り戻すための道筋を探る。


ロビン・グリーンウッド   ハーバード・ビジネス・スクール 准教授

デイビッド S. シャーフスタイン   ハーバード・ビジネス・スクール 教授

PDF記事:11ページ[約2,118KB]
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