メールに費やす時間を大幅に削減する5つの方法

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 ●メール整理とメール探しにフォルダを利用すると、1日に14分を浪費する

 知的職業人が返信を遅らせる確率は37%にのぼる。そのため、すでに読んだメッセージ探しは、メール処理作業の大きな部分を占める。

 ほとんどの人は、これに対処する手段として、さまざまなテーマ別、あるいは送信者別、あるいはメッセージタイプ別にフォルダを作成し、それに応じてアーカイブしている。平均すると、5日ごとに新しいメールフォルダが1つ作成され、手元には37のフォルダがあることになる。

 だが、キーワード検索と比較すると、このアプローチ、すなわちフォルダをクリックして必要なものを探すやり方は、時間が9%余計にかかる。また、共通演算子(たとえば“from:connect@zarvana.com”)を使った検索と比較すると、50%余計に時間がかかる。

 解決策の1つは、検索機能を使うことだ。もう1つは、メールと「やることリスト」の統合である。このような統合を利用すれば、メッセージをタスクに自動変換するに当たり、タスク固有のメール転送先・送信先アドレスが得られたり、メールアプリケーションに組み込まれている縮小版「やることリスト」アプリにメールを追加することが可能になったりする。

 これら2つの解決策を合わせて利用すれば、1日に14分を節約できる。

 ●マウスを使って、多くのフォルダにメールをアーカイブすると、1日に11分を浪費する

 前述の37のフォルダが、ほとんどのユーザーのメールアプリケーションの左側に積み重なって表示されており、その影響は単に、時間を何度も取るだけにとどまらない。メールに費やす総時間の約10%は、保存したいメッセージのファイリングに費やされるが、このプロセスには2つのフェーズがある。まずメールの保存先を決定するフェーズ、それから選択したフォルダにメールを移動するフェーズである。選択肢が多いほど、決定に要する時間が長くなる。

 ご存じの通り、メールを再度探し出すのにフォルダは必要ないのだから、本当に必要なフォルダ数はどれくらいか。我々の調査結果によれば、ほとんどの人は2つだけで事足りる。1つは、受信トレイに到着したときに一読したものの、さらに対応を要するメール用だ(いわゆる「アーカイブ」)。もう1つは、後日、読みたくなるかもしれないメール用だ(いわゆる「リーディング」)。

 いっそのこと、フォルダをゼロにしてもいいのだろうか。いや、受信トレイからメールを移動できるように、少なくとも1つは必要だ。

 フォルダ数を37から2に減らすことで節約される時間を算出するに当たり、我々はヒックの法則を採用している。この法則は、選択肢の数と意思決定の時間の間の数学的関係を説明する、心理学的法則だ。同法則によれば、37の選択肢からの決定は、2択からの決定よりも5倍の時間がかかる。

 メールファイリングの効率性と精度を改善する方法もある。自動ルールやフィルターを使うのだ。これにより、メールをドラッグしてドロップするときに、誤った場所にファイリングするリスクを回避できる。

 またキーボードショートカットを利用すると、マウスを使った場合と比較して所用時間が50%短縮される。たとえば、Windows Outlookのユーザーは3つのキー「control + shift + v」を同時に押した後、望ましいフォルダをリストから選択すれば、メールをファイリングできる。(G Suiteのユーザーは、ただ「v」を押すだけで望ましいリストを選択できる)。

 Outlookユーザーは「クイック操作」も作成できる。これにより、1組のキーボードショートカットを使うだけでメールを特定のフォルダに移動できるようになり、より多くの時間を節約できる。

 ●無関係なメールを読んで処理すると、1日に8分の浪費になる

 効率よくメールを使うためのサービスを提供するセインボックス(SaneBox)のデータによれば、全メールの62%は重要でないので、一括処理が可能だ。だが、一括処理にも時間がかかる。平均的な人は、「パーミッション・メーラー」(承認済みメール送信者からのメール、たとえばニューズレター)の20%を開封し、これらのメールを読むのに1件当たり15~20秒をかけ、1日に4分超を消費している。メール1件を削除するだけでも平均3.2秒かかり、合計すると1日に3分超を要することになる。

 これは小さいながらも重要な問題であり、迷惑メールをただ削除するだけでなく、配信先リストからメールアドレスを削除してブロックすべき理由になる。

 無関係なメールを個々に処理する習慣をやめるには、次のような3部構成アプローチを取ろう。

 まず、実際に利用しているニューズレター用に自動フィルタリングを設定する。次に、利用していない定期メールについては、配信先リストからメールアドレスを削除する。最後に、配信先リストから削除しようとしたが、受信トレイに入り続けているスパムなどのメールをブロックする。

 21世紀に生きる職業人にとって、メールは悩みの種になってしまったが、以下に示す5つを実践するだけで、メールは再び仕事効率化のツールになりうる。

・通知機能をオフにして、代わりにメールを毎時間チェックする。
・メールに1度目を通したら、必ず受信トレイから移動させる。
・メールを再度探すには、検索演算子による検索機能を利用する。
・フォルダは2つだけ設定し、ショートカットを使ってメールをフォルダにアーカイブする。
・無関係メールや重要度の低いメールを個別処理しない。

 いまこそ、習慣と直感に見切りをつけ、上記の調査結果に沿った措置を講じるときだ。そうすれば時間を取り戻し、最終的にはメールをコントロールできるようになる。


HBR.ORG原文:How to Spend Way Less Time on Email Every Day, January 22, 2019.

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マット・プラマー(Matt Plummer )
ゼルバナ(Zarvana)創立者。同社が提供するオンライン従業員トレーニングプログラムは、知的職業人を対象に、時間を節約するための習慣を身につけることで、生産性向上を促す。ゼルバナ創立前の6年間は、コンサルティング大手ベイン・アンド・カンパニーから派生した会社で、非営利団体や財団法人、慈善家などを対象とした戦略・経営コンサルティング会社のブリッジスパン・グループに勤務していた。ツイッター(@mtplummer)でも発信している。

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