リーダーの高すぎる期待がチームに悪影響を及ぼす

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自分のチームが素晴らしい成果を上げるために、ある程度達成困難な目標を与えることは有効である。だが、リーダーからの期待が高すぎてしまうと、メンバーたちは自信を失い、チーム力が大きく減退する要因になりかねない。メンバーらと適切な目標を共有するために、リーダーは何をすべきなのか。筆者は4つの行動を提案する。


 あるクライアントCEOが率いるエグゼクティブチームのメンバーと最近面接した際、そのメンバーはこう言った。「私が何をしても、うちのCEOを満足させることはできない。彼女を満足させようと努力することすら無意味なのではないかと、私たちは感じ始めている」。

 のちに、そのCEOに評価報告をした際、彼女の言い分はこうだ。「周囲には常に落胆させられる。いままでもずっとそうだった。私が仕事に求める基準は高い。だからこそ、私は優れた成果を上げてきたのだ」。その後、CEOの高い期待が意図せぬ結果を招いていることに関して話し合ったが、自分が求める成果が得られない原因が、他でもなく自分自身にあるとは、それまで考えもしていなかったことがわかった。

 経営における一般通念として、従業員に対して高い基準を設けることは、よいことだとされてきた。しかし、従業員がその基準を満たせないとき、高い基準はむしろ武器と化し、あとには苦々しい思いだけが残り、潜在的な能力は発揮されないまま終わる。

 10ヵ国300人以上のエグゼクティブに注目した研究によれば、対象となったエグゼクティブの約35%が、完璧主義的傾向ゆえに失敗している。過度に成果を重んじるリーダーは、慢性的な不満感を持っている傾向があるからだ。

 ただ単に「ベストを尽くすための後押し」のつもりかもしれないが、実際には、失敗を招く土台をつくっている場合がある。一歩下がって、高い期待がよからぬ副作用を生んでいないか、考え直すとよい。以下のようなことが見えてくるだろう。

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