チームの創造性を解き放つ4つの戦略

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経営環境が非連続に変化する中で成功を収めるには、過去の成功体験ばかりに頼るのではなく、創造性を発揮してイノベーションを起こすことが不可欠である。その重要性をほとんどのビジネスパーソンが理解しているにもかかわらず、実践できている人は少ないのが現状ではないか。リーダーやマネジャーは、チームが創造力を発揮するために何をすべきなのか。本記事では、そのための4つの戦略が示される。


 上級幹部と話す機会があると、私はリーダーシップコーチという職業柄、必ず彼らに尋ねる。働く人や組織が、今日のダイナミックなビジネス環境で成功するために不可欠なことは何だと思うか、と。

 つい先日も、私はフォーチュン500企業でエグゼクティブ・バイス・プレジデントを務める幹部と会った。彼女は(仮に「アシュレー」と呼ぼう)、全米チームやグローバルチームを数多く構築した実績を持ち、会社や業界に対して、人々の心を大いに鼓舞するリーダーとして力を発揮している。

 アシュレーは「クリエイティブでイノベーティブであることが、会社にとってはもとより、リーダーにとっても、チームにとっても、最重要の成功要因」だと即答した。この点は研究で実証しており、企業にとって創造性こそが最上位のリーダーシップ能力であることが確認されている

 アシュレーの説明によれば、リーダーやマネジャーは、過去に成功をもたらしたアイデアだけに頼り続けることはできないし、リーダー自身のアイデアを無批判に真似る人たちを取り巻きにしていては成果を上げられない。「部下たちには、ただ命令を受けたり、私に情報を提供したりするだけで満足してほしくない」とアシュレーは言う。「たとえ常に正しいわけではなくても、リスクを負って、斬新な考えや新しいアイデアを出すよう、私はチームに奨励している」

 さらにアシュレーは、今日の市場の複雑な様相に対処するには、イノベーティブなソリューションが必要であり、問題解決には、時には現状に挑戦するような破壊的方法が求められることを指摘し、次のように言い添えた。「ビジネス環境は極めてダイナミックで、変化のレベルは極めて複雑であるので、問題解決に当たっては、同じアイデアや同じ方法に頼ることはできないし、いつもと同じ思考をしているだけでは市場を拡大できない」

 したがってアシュレーが求める人材は、想定内のソリューションばかりにとらわれて空しく仕事をこなすのとは対照的に、考え方を斬新に転換して、課題に取り組んだり意思決定したりできる人だ。リーダーが確実にしなければならないことは、チームに適切な人材を配置したうえで、イノベーティブな考えの創出と表現を促す環境で、チームが大いに活躍できるようにすることであり、メンバーにやる気を起こさせて最高のアイデアと無限の創造的潜在能力を発揮できるようにすることでもある、とアシュレーは信じている。

 では、リーダーはどのようにすれば、アシュレーのビジョンを実現して、チーム内に潜在する最高の考えをとことん解き放つことができるのか。以下では、グループの創造力を溢れ出させる戦略をいくつか紹介する。

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