エンゲージメントは個人の性格にどれほど依存するか

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 最近のメタ分析はこの問いに対し、待望の、データに基づいた答えを提示している。

 この素晴らしい研究は、従業員に関する114件の異なる調査研究からデータを集めて統合したもので、ここにはさまざまな国々の約4万5000人の回答者が含まれる。それらの調査研究の多くは、査読付き学術誌への掲載基準を満たして出版が許可されたものだ。研究者らが目指したのは、エンゲージメントのレベルは性格によってどの程度差が出るのかを、推計することである。

 この点をよく理解するために、次のように想像してほしい。友人から、仕事に嫌気がさしているという相談を受けたとしよう。あなたがその友人のことをどの程度知っているかにもよるが、仕事が嫌なのは、純粋にその仕事がひどいからなのか、それとも単に、その友人の悲観的な性格によるものなのか、という疑問が生じるかもしれない。

 あるいは、トリップアドバイザーやアマゾンやインターネット・ムービー・データベースなどで、ホテルや商品や映画のレビュー欄を読んでいるときのことを想像してほしい。そのレビューは、どの程度までが対象の商品やサービスに関する情報を伝えるもので、どこまでがそのレビューを書いた人物について伝えるものなのだろうか。

 レビューは一般的に、評価対象と評価者の両方をミックスしたものであることは、直観的にも明らかだ。そしてこのことは、人々の仕事やキャリアに対する評価にも当てはまるかもしれない。

 このメタ分析を行った研究者らは、性格の影響のみを検証し、エンゲージメントに対して影響があると知られている外部要因を考慮していない。とはいえ、結果はかなり驚くべきものだった。エンゲージメントの差異の約50%は、人の性格によって予測可能だったのである。

 なかでも顕著なのは、肯定的感情、積極性、誠実性、外向性という4つの特性である。これらの特性は相まって、感情的知性とレジリエンス(困難に直面しても、適応し再起する能力)に欠かせない要素の一部となる。言い換えれば、ポジティブで、楽観的で、勤勉で、外交的な人は、仕事に対してより高いエンゲージメントを示す傾向があるということだ。そういう人は、仕事により多くのエネルギーと熱意を注ぐ可能性が高い。

 したがって、従業員のエンゲージメント向上を望むなら、「エンゲージメントを持ちやすい」性格の人を雇うのが、おそらく最も手っ取り早い方法だろう。我々が最近目を通した研究では、リーダーシップの向上や、従業員に最適な職務設計といった介入を行うよりも、そうした性格の持ち主を雇うほうが、実際にエンゲージメントのレベル(アンケートによって測定)が高まることが示唆されている。

 これはマネジャーにとって――特にエンゲージメントを従業員側の問題にしたい人にとっては――魅力的な方法のように思えるかもしれない。しかしながら、注意すべき重要なポイントが4つある。

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