Going Digital 社会、市場のデジタル化を日本企業変革のチャンスにする

アクセンチュア最新調査レポートが示唆する
CFOのパラダイムシフト

事業のブレーキ役から、事業価値を創出する役割へ

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アクセンチュアの最新調査レポート『The CFO Reimagined(パラダイムシフトするCFO)』によると、企業全体のデジタル化推進においてCFO(最高財務責任者)の重要性が増していることが明らかになった。経理財務部門の総責任者であるのはもちろんのこと、デジタル投資のKPIをシンプル化し、事業のデジタル化を牽引、管理することで企業価値を生み出すという新たな役割が期待されているという。従来の業務にとどまっている日本のCFOが変わるには何が必要なのだろうか。

“金庫番型CFO”から抜け出せない日本企業

アクセンチュア株式会社
戦略コンサルティング本部 財務・経営管理グループ統括
マネジング・ディレクター
山路 篤(やまじ・あつし)

東京大学工学部卒業。アクセンチュア入社後は、事業戦略、新規事業創出と、それを加速化するためのオペレーティングモデル変革(組織・制度・プロセス・仕組みの変革)の領域において、通信、ハイテクメーカーを中心に幅広い業界のコンサルティングに従事。
また、顧客企業のCFOおよびCOOを対象としたフォーラムを2015年より実施し、イノベーションやデジタル・トランスフォーメーション(DX)の課題と対応策をテーマに提言を行っている。

――アクセンチュアではCFO関連リサーチを2004年以降、3~4年ごとに行っていますが、今回は名称も一新され、大きく変わったそうですね。

山路 はい。急速に進むデジタル化によってCFOの役割が大きく変わりつつあるという前提の下、CFOの役割の変化とそれに応じた配下部門の改革を中心に質問しています。というのも、これまでは財務管理や無謀な計画の実行を防ぐことがCFOの役割でしたが、今ではそれらはできて当たり前、さらに新規事業やデジタル投資に対するサポートに期待したいというCEO(最高経営責任者)の声が数多く聞かれるようになったからです。

 今回は、日本を含む10ヵ国、売上高10億ドル規模以上の幅広い業種のグローバル企業を対象に、700人を超える財務リーダーへの調査を実施しました。さらに、CFO、上級財務管理職、CEO、CDO(最高デジタル責任者)を対象に約50人のインタビューも行っています。調査期間は2017年12月から2018年4月です。

――調査結果を見ると、多くの日本企業はCFOの役割を変えることができていないようですが。

高塚 図1のように日本企業のCFOは、デジタルを用いた企業収益向上に強く貢献すべきか? という質問に対してYesの回答がグローバル平均と比べて18%も低い。少し厳しい言い方ですが、デジタルへの“他人事”意識が強いという傾向が伺えます。一方、戦略意思決定のための分析依頼が増加しているか? という質問に対しても、グローバル平均に比べてYesの回答は12%低い。事業部から分析依頼が来ていないというのは、CFOは“決算担当”という社内評価の表れでしょう。

 このようにデジタルを用いた事業への貢献意識は低く、かつ他部署からも事業貢献に対する期待が低い状態であり、従来からの財務諸表作成やリスク管理に注力する"金庫番型CFO"から抜け出せていません。

出典:アクセンチュア
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