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イノベーションに貢献する調達組織へ
進化するためのデジタル活用

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調達組織のミッションを、ルーティンワークとしてのコストの番人から、製品・サービスのイノベーションに対する貢献へシフトしていきたいと考えるCPO(Chief Procurement Officer)は多い。どのように組織や仕事のあり方を変えていけば、そのミッションに応えていくことができるのか。その過程における、3つのポイントとこれに含まれるデジタル化の要諦に触れながら、論じていきたい。

1.CPOによる探索対象の明示

 自社の調達組織は下記3つの選択肢のどの項目に当てはまるだろうか。

a. 調達組織のメンバーは、「個々人が主体性をもって動け」と指示されている
b. 調達組織のメンバーは部署内で活動目標を討議して決めている
c. 調達組織のメンバーには、四半期に一回CPOとCRO(Chief R&D Officer)で確認した探索対象が明示されている

 自社の調達組織のメンバーは、項目cにあるように、探索すべき新規技術、コスト分解すべき素材・工法の対象を明確にして業務を遂行しているか。実際は、aとbという回答が多いと思われるが、イノベーションに貢献する調達組織へ進化するためには、まずトップからの方向づけが重要である。

 部材の内外製判断について、またこれを受けてコスト競争力を磨き込むべき領域について、CPO・CROは定期的に協議する必要があり、その協議結果をトップダウンで調達部隊に活動方針として落としていくべきである。そうすることで、開発部門に対する付加価値の提供の仕方が明確になり、調達部隊は活動の組み立てに迷いが少なくなる。個人技で組織の壁を超えて開発部門に働きかけたり、連携したりする手間が大いに省けることになるのだ。

 そのような主体性を持ったメンバーはCPOが期待する数よりも、はるかに少ない傾向にあり、実際、「緊急開発」的に全社号令がかかるプロジェクトに就いているメンバーに限っては、個々人が主体性を持って動くが、その他大多数はコストの番人的ルーティンワークを行っている比率が高い傾向にある。

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