複雑な問題に適切な答えを導く
3つの習慣

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リーダーはどんな難題にも答えを導くことが求められる。単純明快な解決策はチームに行動を促すが、どんな時でもシンプルな答えが有効とは限らない。リーダーは難問に対峙したとき、どのように立ち向かえばよいのか。本記事では、その際に役立つ3つの習慣を提示する。


 目の前の問題はしばしば、とても複雑で、ほとんど解決不可能にさえ思える。アルベルト・アインシュタインは、こんな発言をしたとされる。「いかなる問題も、それをつくり出したときと同じ思考レベルで考えていたのでは、解決できない」

 では、思考レベルを上げて、より複雑な問題に対処するには、何が必要か。

 多くのリーダーが、意思決定をする際には「AかBか」の二者択一がデフォルトだと考えている。その答えは正しいか間違っているか、良いか悪いか、勝ちか負けかの、どちらか一方だというわけだ。このゼロか1かのバイナリー思考には、限界が内蔵されている。すなわち、定石に頼りすぎると、結局は正反対の問題を生み出す結果に終わるのだ。

 よくある話を例に取ろう。自社の意思決定が中央集権的になりすぎたと懸念しているCEOが、この問題に取り組むためにコンサルタントの重鎮を雇った。コンサルタントが提案したソリューションとは? 意思決定を分散化するための詳細な計画だった。それから3年後、CEOがふたたびコンサルタントを呼び入れた。それは意思決定が分散しすぎたと悩んでのことだった。今回のソリューションは? そう、意思決定を中央に集中させるための詳細な計画だったのである。

 シンプルな答えは、破壊的かつ激動の現代において、とりわけ安心感を与えてくれる。だが、そんな時代だからこそ、リーダーは確実性よりもむしろ、もっとよく見る能力を意識的に養う必要がある。より深く、より広く、より長期的なものの見方ができるようになる、ということである。

 より深いものの見方とは、死角や思い込み、そして、凝り固まった信念をみずからら疑う意欲を指す。より広いものの見方とは、直面する問題に多角的な視点から対処できるよう、より幅広い見解やステークホルダーを考慮に入れることを意味する。より長期的なものの見方とは、意思決定が直接もたらす結果にとどまらず、時間の経過とともに起こりうる影響にも注目する姿勢だ。

 こうしたより包括的視点を養うために、我々のチームはリーダーに向けて、次の3つの 核心的な習慣を勧める。

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