自己流の「学び方」を刷新する
――書評『Learn Better』

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ハーバード・ビジネス・レビュー編集部がおすすめの経営書を紹介する連載。第84回は「学び」についての実証研究を数多く調査し、発信を続けてきたアーリック・ボーザー氏のLearn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップを紹介する。

学びは「価値を見いだす」ことからスタートせよ

 蛍光ペンで重要箇所をマークしたり、はたまた暗記するために繰り返し資料を読んだり――。社会に出てからも「学び」は不可欠であり、業務に必要なスキルの習得など、私たちは日々知識を吸収している。しかし、その方法はかつて学生時代だった時と、何ら変わっていなかったりしないだろうか。

 本書『Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』は、「学び」についての実証研究を数多く調査し、発信を続けてきた著者が、深い学びを得るためにどのようなアプローチが必要なのかという、「学び方」について記した1冊である(著者がハーバード・ビジネス・レビューに寄稿した記事もあるので、ぜひそちらもご覧頂きたい)。

 米AmazonはThe Best Books of 2017を発表しているが、本書はそのサイエンス書部門でも取り上げられた書籍だ。経験則に基づき学び方を述べるのではなく、さまざまな専門家の知見・研究に基づいて述べられている点が、説得力を持つ。

 私たちが知識を深める価値のあるスキル、習熟する価値のあるスキルを学ぶ場合には、体系的なアプローチを取ることが効果的だという(車のタイヤ交換の方法といったスキルであれば、このアプローチはとらなくて良い)。そのステップが「価値を見いだす」「目標を設定する」「能力を伸ばす」「発展させる」「関連づける」「再考する」である。

 6つのステップどれもが重要ではあるが、とりわけ興味深いのは、最初のステップの「価値を見いだす」ではないだろうか。学習法というと「いかに効率的に暗記するか」のように、小手先の方法論に飛びつきがちである。しかし、学びの成果を高める上では、学ぶ価値を見いだすという、感情面が重要になるという。

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