Going Digital 社会、市場のデジタル化を日本企業変革のチャンスにする

流動化する消費者との関係を
日本企業はどう構築すべきか

――最新の「アクセンチュア消費者調査」から見える課題

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アクセンチュアが実施した最新の「グローバル消費者調査」によると、引き続き消費者の無関心化と低ロイヤリティ化のトレンドが続いていることが明らかになった。製品やサービスに対するこだわりや執着が薄れ、不快な思いをすれば即座に企業・商品をスイッチする消費者との関係構築は容易ではない。企業への信頼を失くし、流動化する消費者といかに関係構築を図っていけばいいのかを聞いた。

さらに進む消費者の無関心化、
低ロイヤリティ化

松下亮介(まつした・りょうすけ)
アクセンチュア
戦略コンサルティング本部 マネジャー

東京工業大学大学院卒業後、2010年にアクセンチュア入社。製薬、消費財、小売、ハイテクなど様々な業界を対象に、営業・マーケティング戦略の策定及び改革推進、デジタルを活用した事業変革・新規事業立案等、企業の成長に向けた改革プロジェクトを数多く支援。

――アクセンチュアの「グローバル消費者調査」は世界各国の消費者を対象に2005年から毎年行われていますが、今回の調査概要は?

松下 調査対象は、世界33ヵ国、約2万5000人(うち日本は約1300人)。対象サービスは、携帯通信、固定通信、ユーティリティ(ガス/電気)、銀行/金融サービス、家電、ヘルスケアなど11業種です。

 一昨年、昨年の調査結果では、無関心化と低ロイヤリティ化が進んでいることをご報告しました。今年はこの2つのトレンドがどうなっているか、最新状況を確認するとともに深掘り調査をしています。

――2つのトレンドについてはどんな変化がありましたか。

松下 引き続き、先進国では無関心化・低ロイヤリティ化のトレンドが続いています。商品購入前に情報収集をしない消費者は、後進国で2割以下なのに対し、先進国では3~4割が商品購入前の情報収集を行っていません。ソーシャル上で企業と商品についてのやり取りや情報を投稿する消費者も、後進国では5~6割を占めるのに対し、先進国では1~2割程度と低い水準になっています。

 無関心化のトレンドは業界を問わず波及し、多くの商品のコモディティ化(とくに注意を払わない生活必需品)が進み、同時に企業のロイヤリティ構築も低水準にとどまっています。その結果、不快な経験をした場合に即座に企業や商品をスイッチする消費者が3~5割と大きな割合を占めています(図1)

出典:アクセンチュア

 企業への信頼も大きく揺らぎつつある状況が見てとれます。5年前よりも企業を信頼しなくなったという消費者が全体のおよそ3分の1に。そして、信頼できない企業(ブランドバリューを体現していない企業)とは付き合いたくないと回答した消費者は3~5割にも上っています。

 この調査結果を踏まえると、企業への信頼は徐々に低下し、消費者は流動化してきていると言えるでしょう。その流動化する消費者といかに関係を構築していくか、これが企業の大きな課題になっています。

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