女性が職場で涙を流すと
なぜ大問題として扱われるのか

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職場で感情を露わにして涙を流すことは、ネガティブな行為だと捉えられている。それが女性である場合は、なおさらである。出世に影響したり、転職せざるを得なかったりするケースさえある。筆者は、女性は本来、男性よりも涙もろい生物であり、堂々と涙を流せばよいという。また、リーダーの側も、それを自然な行為として受け入れるべきだという。


 私は、泣きやむことができなかった。数ヵ月の間、残業続きで、きつい出張の連続だったこともあり、プロとしての見た目ははがれ落ちていた。

 そんな私が四半期の数字を説明しようとするのを、同僚たちは椅子の上でモゾモゾしたり、ティッシュの箱を私に渡したり、あるいはただじっと見ていたりした。上司は唐突にミーティングの終わりを告げ、同僚たちは、そそくさと部屋を後にした。私はしわくちゃになったティッシュを手に、会議室に一人取り残された。

 女性にとって、仕事の場面で泣くことは、たいていキャリアの終わりと見なされる。

「泣きやんで!誰かに見られる」

「早くお手洗いに!」

 どちらも、キャリアの中で私が受けたアドバイスだ。私だけではない。女性の友人や同僚も、涙を止めろと言われたことがあるという。

 職場で泣いたことのある女性なら、覚えがあるだろう。洗面所に駆け込む。トイレットペーパーをつかむ。涙を拭く。鼻をかむ。深呼吸をして、何事もなかったように会議室またはホール、講堂、あるいは廊下に戻る。本当にお手洗いに立ったような顔をする。

 しかし、泣き出す前にその場を抜けられなかった場合は、ひたすら陳謝モードだ。「本当にすみません」「ご心配なく、二度とあんなことはしません」「おっしゃる通り、プロらしくない態度でした」

 私がこの記事について話をした女性のほとんどは、同僚(特に男性の同僚や上司)の前で涙を流すのは、プロとして特に屈辱的な体験の一つだと言っていた。

 しかし、時代も企業文化も変わってきている。泣くのは自然なことだとリーダーが考えるようになれば、ネガティブな偏見も和らぐのではないだろうか。

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