10年後の社会を予測する上で
押さえるべきキーワードとは何か
――書評『〔データブック〕近未来予測2025』

1

ハーバード・ビジネス・レビュー編集部がおすすめの経営書を紹介する連載。第82回は、ティム・ジョーンズ氏とキャロライン・デューイング氏の共著書〔データブック〕近未来予測2025を紹介する。

6テーマと12の共通認識から
未来社会のキーワードを網羅

 2025年になる頃には、デジタル世界と現実世界とがシームレスにつながり、自分に関するデジタルデータの管理を専門家にアウトソース(外注)する時代がくる――。

 これまでは、便利なオンラインサービスを受けるために、企業に対して個人に関するデータを何気なく提供していたものだ。だが、個人データの収集や販売、利用によって企業が膨大な利益を上げるようになり、人々の考え方が大きく変化している。

 とはいえ、個人ですべてのデータを管理するのは難しい。そこで、「プライバシー・エージェント」というデータ管理の専門家が現れ、個人のデータ管理と同時に、データアクセスの許可を企業に与えて利益を得る。

 このように「『データ所有権』という考えが広まる」と予測するのが本書である。ただし、これは本書内のほんの一つのキーワードにすぎない。

 本書では、6つのテーマをもとに、今後10年間に予測される変化を描いている。具体的には、「人」「場所」「覇権」「信念」「行動」「企業」というテーマである。

 また、「人口の爆発的増加」や「資源の枯渇」など重要テーマを「12の共通認識」として並べ、考察している。さらに、「2025年のキーワード」として、「信頼」「プライバシー」「格差」「透明性」「アイデンティティー」という5つのキーワードを深く掘り下げている。

 それぞれに課題解決の手段や技術の進化について言及しているので、次なる社会を考える上で多数のヒントを見つけることができる。特にキーワードとして網羅されているので、それを拾うだけでも参考になることだろう。

次のページ  2025年まで起こる重大な変化を世界39都市で議論»
1
無料プレゼント中! ポーター/ドラッカー/クリステンセン 厳選論文PDF
Special Topics PR
DHBRおススメ経営書」の最新記事 » Backnumber
今月のDIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー
最新号のご案内
定期購読
論文セレクション
DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー・フォーラム『ブルー・オーシャン・シフト』チャン・キム INSEAD教授 来日講演
  • facebook
  • Twitter
  • RSS
DHBR Access Ranking

特別企画