論文セレクション

「アジャイル人事」関連論文

『DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー』では毎月、さまざまな特集を実施しています。ここでは、最新号への理解をさらに深めていただけるよう、特集テーマに関連する過去の論文をご紹介します。

 2018年7月号の特集は「アジャイル人事」と題して、「アジャイル(俊敏)」という新しいコンセプトを紹介し、組織変革に活用するために何をすべきかの議論を深める。

 欧米の伝統的大企業でいま、人事にアジャイル手法を採り入れる動きが出てきている。ますますスピーディに変化する外部環境に柔軟かつ迅速に対応できる、人と組織をつくるためである。そのためにはどのようなステップを踏むべきか。本特集では、世界の成功例をひも解きつつ、日本企業で実践する際のポイントを紹介する。

 ボストン コンサルティング グループ パートナーの桜井一正氏と高部陽平氏による「日本企業が『アジャイル』を実践する方法」では、多くの企業でこの手法の導入を支援してきた両氏により、その概要とボトルネック、そして、日本企業が実践する際の具体的な方法論が示される。いま、「アジャイル」という言葉が注目を浴びている。もともとはソフトウェア開発の世界で普及したコンセプトだが、高速でトライ・アンド・エラーを繰り返すこの仕事の進め方は、環境変化が激しく不確実性の高い時代において、さまざまな業種の多様な業務に適用され始めている。

 ペンシルバニア大学ウォートンスクールのピーター・カッペリ教授とニューヨーク大学のアナ・テイビス准教授による「アジャイル化する人事」では、人事分野で進む重要な変化とアジャイル人事への移行に伴う課題を紹介する。「アジャイル」という概念はテクノロジー分野に留まらず、広く製品開発や製造など、他分野にまで浸透している。そしていま、その波は人事分野にまで及び始めた。人事業務はこれまで、長期的な視点で遂行され、ルールや計画に基づく手法が一般的であった。しかし、事業環境の目まぐるしい変化によって、長期の計画が意味を成さなくなる中、人事分野でも「アジャイル」の概念が取り入れられ、人材の採用、育成、管理を変えつつある。

 IBM最高人事責任者のダイアン・ガーソン氏へのインタビュー「アジャイル成功のカギは社員との信頼関係にある」では、アジャイルの実際が語られる。たいていの企業は、顧客経験をいかに創出するかについて日々腐心している。人事業務にアジャイル手法を取り入れる企業は、社員を顧客のように扱い、職場における社員の経験をいかに向上させるかについて熱心に取り組んでいる。テクノロジー企業の象徴的存在であるIBMは、この課題にどう対処しながらビジネスモデルを変革しているのだろうか。

 マッキンゼー・アンド・カンパニーグローバル・マネージング・パートナーのドミニク・バートン氏らによる「世界的金融グループはアジャイル手法で組織を変えた」は、アジャイルによる改革を実現したINGの事例が紹介される。顧客ニーズの変化に対応するため、組織の体制を見直すことは経営上、必要不可欠である。世界的金融グループのINGは、モバイルアプリ化を進める中、3500人のリテール部門を対象にアジャイル手法を試験的に導入し、組織改革に成功した。

 面白法人カヤックの柳澤大輔代表取締役CEOによる「“面白さ”を追求したら生き物みたいな会社になった」では、アジャイルな組織構造や人事制度の特徴と形成の経緯を、創業者が詳述する。創業時の思い「仲間と面白い会社をつくろう」と、経営理念「つくる人を増やす」を追求していくと、アジャイル組織になっていた面白法人カヤック。事業は徐々に、広告やPRの受託開発、ソーシャルゲーム、ブライダルなどと幅広く膨らんでいくが、組織構造はフラットで、意思決定は現場で下されている。存在目的を重視し、自主経営を徹底しながら、全体性を確保している同社は、いま注目されている生命体型の「ティール組織」に近い。

 元ネットフリックス最高人材責任者のパティ・マッコード氏による「ネットフリックスが『Aプレーヤー』だけを採用できた理由」では、ネットフリックスやその後のコンサルティング活動の経験をもとに、人材採用のポイントを説く。マッコードはネットフリックスの最高人材責任者を務めていた時、Aプレーヤーばかりを採用できる秘訣を聞かれたというが、そもそも筆者は格付けシステムを思わせるような、Aプレーヤーという言葉が嫌いだそうだ。またマッコードは、昨今の採用で重視される「カルチャーフィット」(企業文化への適合性)についても懐疑的である。

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