アジャイル(俊敏な)変化対応ができ
逸材が集う組織になるために

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最新号7月号の特集テーマは、「アジャイル(俊敏な)人事」です。聞き慣れない言葉かもしれませんが、端的に言えば、「変化への対応」という、これまでも優れた企業が実践してきたマネジメントの最先端です。ジョンソン・エンド・ジョンソンやINGなど世界的な大企業が続々と取り組んでいる組織・人事改革です。

P&G やIBMはいち早く導入
カヤックは結果的にアジャイル

 技術革新やグローバル化などで市場環境の変化が加速する中、企業の変化対応力を高めていくと、仕事の進め方や組織形態の見直しが必要となり、アジャイル変革は人事制度にまで及んできます。

 先行したのが、ソフトウェアのアジャイル開発です。従来のウォーターフォール型(要件定義から設計、開発へと作業工程を順次、完了させていく方式)に対して、アジャイル型はスピーディにプロトタイプをつくって顧客に提示し、その反応や要望をもとに修正して、徐々に完成に持っていく方式です。

 7月号の特集1本目の論文は、こうした開発方式の変化から話を始めて、既存のヒエラルキー組織にアジャイル組織を導入する必要性を説いていきます。「スプリント」や「スクラム」など専門用語の説明を踏まえて、アジャイルの長所や、いま大企業がそれを採用することの意義を解説し、ボストン コンサルティング グループが企業に導入支援した経験をもとに手順と課題を詳述していきます。

 特集2本目は、世界企業のアジャイル人事の最先端を、ジョンソン・エンド・ジョンソンやP&Gなど、いくつかの事例を挙げて論じています。業績査定、人材教育(コーチング等)、採用など具体的に解説していて、実践的です。

 いち早くアジャイル人事を導入した世界的大企業のケースとして、特集3番目はIBMの最高人事責任者へのインタビュー、4番目は大手金融機関INGの改革をマッキンゼー・アンド・カンパニーの経営幹部らが分析した論考です。

 前者は改革当事者の試行錯誤を、後者はアジャイル改革の実務を具体的に知ることができます。特に後者の論文で示される施策は今日、モバイル機器の普及やAI(人工知能)の進歩により多くの金融機関で必要になっている改革で、とても参考になります。

 大企業でアジャイル化が必要な背景には、ベンチャーの急激な台頭があります。ベンチャーは自社が競争優位を持つ点に経営資源等を集中して、市場ニーズに合う商品をスピード投入することで躍進します。これに対抗するために大企業はアジャイル組織の導入が必要なのです。

 有力ベンチャーのアジャイルの強みの事例として特集5番目に、面白法人カヤックを取り上げました。同社は、経営理念「つくる人を増やす」の実践のため、クリエイター中心の人員構成になっています。創造性が存分に発揮できるように組織を運営していったら、結果的にアジャイルになっていたようです。

 いま、世界で最も注目される企業の一つがネットフリックスです。6番目の論文は同社のアジャイル人事策を論じています。カヤック同様、人材採用でのユニーク性と大胆さがわかります。

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