創造的な問題解決法を導くには、
「何をすべきか」より「何ができるか」を問う

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イタリアのある3つ星レストランで、メニューにはない「ピザ」を食べたがる子どもがいた。その際、給仕長が彼らに対して取った行動は、意外なものであった。 筆者は、組織で創造的な問題解決を実現するためには、同調圧力に囚われない「反逆者」の存在が重要だという。


 ある土曜日の夜、イタリアの美しい街、モデナでのこと。食の宝庫として非常に有名なこの地で、幼い息子2人を連れた夫婦が、ミシュラン3つ星レストランのオステリア・フランチェスカーナで食事をした。

 父親は家族のために、「進化する伝統」という、同店で最も人気の10品で構成されたテイスティング・コースを注文した。そのうちの1品「土にもぐったカタツムリ」は、スープとして供された。コーヒー、ナッツ、黒トリュフから成る「土」にカタツムリが覆われ、生のじゃがいもとニンニクの泡でつくられたクリームに「覆い隠された」代物だ。

 給仕長のジュゼッペ・パルミエーリは注文を取る際、2人の男の子たちが少々浮かない顔をしているのに気づいた。年下のほうに「君は何を食べたいの?」と尋ねると、彼は「ピザ!」と答えた。

 オステリア・フランチェスカーナは、ピザを提供するようなレストランではない。しかし、パルミエーリはテーブルを離れると、躊躇なく、街で一番のピザ店に電話をかけた。間もなくタクシーでピザが届くと、パルミエーリはそれをテーブルへと運んだ。

 多くの高級レストランでは、このような対応は考えられない。だが2人の子どもと両親は、パルミエーリの親切な行為を一生忘れないだろう。パルミエーリは私にこう語った。「必要だったのは、いつものやり方を変えてみること、そして1枚のピザ。ただそれだけです」

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