学ぶ力は才能ではなく、
学びによって成長する

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学習能力は生まれつき決まっていると誤解していないだろうか。だが、さまざまな研究を通して、学び方そのものを学習することは有効であり、それによって専門知識をいっそう速く理解し、より大きな成果を上げることができる。本記事では、学ぶ力を成長させる3つの方法が示される。


 学習能力は知能の問題だと、多くの人が誤解している。目の色を変えることができないように、学習能力も変えることのできない特質で、遺伝子任せだというのである。生まれながらの学習者かそうでないかのどちらかであり、学習能力を上げようなんて無駄な努力だ、というわけだ。

 したがって、多くの人は学習に漫然と取り組む傾向がある。熟練の域にどのように達するか、その道筋についてはあまり考えないのだ。「習うより、慣れろ」と言ってみるものの、学習戦略について深く考えることは、たいていやらない。

 そもそも、この格言もきわめてあいまいだ。「慣れろ」というのは、同じスキルを何度も繰り返すことを意味するのか。慣れるためにはフィードバックはあったほうがいいのか。慣れるのは修行であるべきか、それとも楽しみであるべきか。

 ますます多くの研究で、学習能力は先天的なものではなく、形成されるものであることが明らかになりつつある。学習能力の向上に特化した戦略とトレーニングを計画的に導入すれば、誰もが専門知識をより速く、より効果的に身に付けられるようになる。要するに、誰もが、よりよく学べるようになるのだ。

 一例を紹介しよう。専門知識を習得することに関して、生来の頭の良さよりも、学習戦略のほうがいかに重要かを示すマルセル・ヴィーンマンの研究がある。

 ここから、新しいことを学習する際、自分の思考の道筋を詳しく把握する人のほうが、とてつもなく高い知能指数の持ち主よりも高い成果を上げることが明らかになっている。ヴィーンマンの研究によれば、専門的技能を身に付けることに関して、どう理解するかに重点を置くほうが、生まれつきの知能よりもおよそ15ポイント重要だという。

 こうした研究に基づき、学習能力を伸ばすための実践的な方法を、以下に3つ紹介しよう。

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