誰にも邪魔されない「不可侵の日」を
週に1日は設けるべき理由

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高度の創造性と集中力が必要な仕事において、どうすれば良質なアウトプットを増やせるのか。米国のベストセラー作家ニール・パスリチャが勧めるのは、何事にも邪魔されない「不可侵の日」を毎週設けることだ。いっさいの予定を入れず、携帯電話やノートPCのWi-Fiもすべてオフにする日をつくることで、仕事の生産性が劇的に上がるという。


 私は会議が嫌いだ。会議は頭の片隅にぼんやりと居座っている。手帳にも会議の準備を書き入れる。仕事の最中だというのに、会議に出向き、戻ってくる。そして、通常ほとんどの会議がもたらすものは何だろうか。その通り、さらなる会議だ。

 ウォルマートでリーダーシップ開発部のディレクターを務めていた頃は、会議ばかりの毎日だった。ここでは誰もがそうだったのだ。2016年に執筆者・基調講演者として独立した際、会議ずくめの日々は終わったと思った。

 ところが、それは間違いだった。

 現在の私は、調査やインタビューのために電話をする。著作権エージェントやウェブ開発者と昼食をともにする。著書のタイトルや出版スケジュールについて、電話会議をする。ラジオのインタビューや、メディア出演の準備のための電話にも追われている。また、毎回の講演に先立ち、イベントの目的や段取りを確認すべく、クライアントや会議のプランナーとの会議が必ず行われる。

 会議はけっしてなくならないのだ。

 しかし問題なのは、いまの私はおおむね、自分の生み出す創造的アウトプットだけで評価されるということだ。にもかかわらず、そのための時間がない!

 これは私だけの問題ではない。世の中がいっそう忙しくなり、電話がより頻繁に鳴り響くにつれ、集中力と創造的アウトプットは、誰にとっても希少な資源となりつつある。新しく素晴らしいものを世界に発信する時間を確保しなければ、我々の価値は急落してしまうのだ。

 かつての私は、早朝4時に起きたり、あるいは早朝4時まで働き続けたりして、他の人々が寝ている間でも仕事に没頭するタイプの人間だった。そうやって、1000日間で1000本のブログ記事を書いたのだ(後に書籍化)。しかしいまでは、追い越し車線を走り続けたら、やがて車輪が外れてしまうことを心得ている。

 もう、昔の私ではない。現在は仕事から帰ると、妻と2人の幼い息子との時間を楽しむ。いまもこれからも、私にとってこれほど大切な時間はないので、愛する人との時間を持たない人の意見に耳を傾けるつもりはない。

 私は気づいたのである。必要なのは、より多くの時間をかけずに、より多くの仕事をこなす「実践的な」方法なのだ、と。正直なところ、ただちにそれが必要だった。なぜなら、執筆を専業にした1年目、フルタイムの仕事を辞めたにもかかわらず、生産性の低下を感じ始めたからだ。

 これには落胆したばかりか、情けなくも感じた。「新しい本の調子はどう?」「あれ、仕事を辞めたのに、全然進まない!」と。

 だが、ついに解決策を見出した。おかげで自分のキャリア、時間、健全な心が保たれていると感じている。この身の上話に共感できる人々には必要な解決策だろう。私はこれを「不可侵の日(Untouchable Days)」と呼んでいる。

 文字通り100%、いかなる手段でも、誰であれ、私に連絡が取れない日を設けるのだ。

 不可侵の日は、私が調子を取り戻すための秘密兵器となった。これを実践して、最も創造的で有意義な仕事を完遂するのである。大まかに比較すると、会議の合間を縫って執筆する日に書ける文章量は1日500ワードくらいだ。ところが、不可侵の日には5000ワード書くことも珍しくない。つまり、生産性が10倍になるのだ。

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