既存の組織は「ティール」の思想で変わるのか

『ティール組織』鼎談:嘉村賢州×佐宗邦威×入山章栄(後編)

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ティール組織は日本企業にとってどのような示唆があるか。日本における第一人者の嘉村賢州氏、戦略デザイナーの佐宗邦威氏、早稲田大学ビジネススクールの入山章栄氏による鼎談後編。前編では、ティール組織の特徴である「3つの突破口(ブレイクスルー)」を紹介した。後編では、実践者の視点から、「ティール組織」に至る道を探究する。(撮影:和田剛、構成:山下智也、場所:SmartNews)※3/8開催の出版記念イベントの内容を再構成しています。

マネジャーも人事も総務もいない

嘉村賢州(かむら・けんしゅう)
場づくりの専門集団NPO法人場とつながりラボhome's vi代表理事
コクリ! プロジェクト ディレクター(研究・実証実験)。京都市未来まちづくり100人委員会 元運営事務局長。集団から大規模組織にいたるまで、人が集うときに生まれる対立・しがらみを化学反応に変えるための知恵を研究・実践。2015年に1年間、仕事を休み世界を旅する。その中で新しい組織論の概念「ティール組織」と出会い、日本で組織や社会の進化をテーマに実践型の学びのコミュニティ「オグラボ(ORG LAB)」を設立、現在に至る。

嘉村賢州(以下、嘉村):ビュートゾルフの事例で衝撃的だったのが、もともと3人の看護師から始まった組織なんですが、たった4年で8000人になったんです。オランダの訪問医療従事者は全部で1万2000人と言われています。

入山章栄(以下、入山):えらいことになっていますね。

嘉村:そしてバックオフィスは30名だけで、そのうちのほとんどが「何か困ったことはありませんか?」とたまに聞きに来る地域コーチなんです。

入山:上司とか管理職でもないと。

嘉村:そうです。10人から12人で構成されるチームには、マネジャーやチームリーダーみたいな人もいない。本社には人事や総務のスタッフもいない。すべての機能をチームで話し合って実行することが任されています。

佐宗邦威(以下、佐宗):このような組織は、対面のみならずICTインフラをうまく活用している会社が多い印象があるのですが、ビュートゾルフという組織はどうでしたか?

嘉村:まさにそうです。彼らは従業員ファーストで、従業員の声をもとに、独自に最適なシステムを作り続けています。

入山:なるほどー。めちゃめちゃおもしろいですね。

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