論文セレクション

「その戦略は有効か」関連論文

『DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー』では毎月、さまざまな特集を実施しています。ここでは、最新号への理解をさらに深めていただけるよう、特集テーマに関連する過去の論文をご紹介します。

 2018年4月号の特集は「その戦略は有効か」と題して、戦略転換について議論を深める。

 企業が持続的な成長を遂げるためには、急速に変化する経営環境への迅速な対応が求められる。過去の成功体験を捨て去ることと、現在実行している戦略に失敗があれば、それを認めることが不可欠だが、実践するのは難しい。そうはいっても、八方塞がりになってから次なる施策を検討し始めたのでは、すでに手遅れの場合がほとんどだ。企業は、この課題とどう向き合い、いかに乗り越えるべきなのか。

 サイバーエージェント代表取締役社長の藤田晋氏へのインタビュー「経営者は黒字に逃げてはいけない」では、さまざまな失敗を乗り越える中でたどり着いた、藤田氏の経営哲学が語られる。サイバーエージェントは、創業から20年にも満たない短期間で、3度にわたる大胆な事業転換を実行してきた。目先の黒字を追求し一時の安心を得るのではなく、たとえ大きな痛みを伴っても、覚悟を持って将来につながる投資を続ける。藤田氏は、自社の転換点をどう見極め、いかに実践したのか。

 ロンドン・ビジネススクール准教授のフリーク・バーミューレンとニロ・シバナサンによる「賞味期限切れの戦略に縛られるな」では、心理学や社会学などの学問的研究に依拠した、有効な組織ルールを紹介する。かつて有効だった戦略に固執してしまう現象を「エスカレーション・オブ・コミットメント」(関与の拡大)と呼ぶ。企業の失敗原因はいくつもありうるが、業界リーダーの消滅に関する学術的な事例研究ではたいがいの場合、エスカレーション・オブ・コミットメントが大きな原因とされている。特定の戦略に固執するようになると、そこから抜け出すことが難しくなるが、その罠に陥る可能性を減らす対策はある。それは、意思決定のルールを決めることだ。

 慶應義塾大学大学院教授の清水勝彦氏による「戦略転換の壁を越える法」では、組織の戦略転換を阻む壁の存在を明らかにしたうえで、「戦略的柔軟性」を向上させるための6つの提言が示される。今日、経営環境は目覚ましいスピードで変化しており、企業が持続的成長を遂げるためには、過去の成功体験を否定し続けることが、より重要となっている。だが、多くの企業がうまくいかない現状に目をつぶって捨てられずにいたり、何とかなるかもしれないという甘い期待で様子見したりしてしまう。こうした事態を回避し、真に自社の将来を賭ける重要な意思決定を下すために、経営者は何をすべきなのか。長年にわたり、この経営課題と向き合い続ける、慶應義塾大学大学院の清水勝彦教授は、戦略的柔軟性を高めることが必要だと説く。

 ペンシルバニア大学ウォートンスクール教授のマーシャル・フィッシャーらによる「『成長』から『成熟』への戦略分岐点」では、いつ、どのように戦略を変えるべきかを判断する指標を示し、低成長でも利益を高める生産性向上策を提案する。小売業界は企業の栄枯盛衰が激しい。既存企業とは異なるサービスやビジネスモデルで消費者ニーズをつかむことに成功した小売企業は、順調に成長を続けるが、いずれ壁にぶつかる。その際、企業は何をすべきか。巨大小売企業37社の財務データを分析した結果、売上げが鈍化した後に生じる利益率の差は、戦略転換の有無に起因することがわかった。その示唆は他業界にも通じる。

 アシックス代表取締役会長兼社長CEOの尾山基氏へのインタビュー「アシックスの変革:何を変え、何を守っていくか」では、アシックスを真のグローバル企業に変えて急成長させた尾山氏に、いかなる戦略転換で再生と成長を実現したのか、その転換を通して顕在化した新たな課題とどう向き合うか、そして、より長期を見据えた次なる戦略は何かを聞いた。鬼塚喜八郎氏が1949年に創業した鬼塚商会は、その後、アシックスという巨大スポーツ用品メーカーへと変貌を果たした。ただ、そこに至るまでの道のりは常に順調だったわけではなく、特に1990年代には倒産の危機がささやかれたほどであった。その苦難を乗り越えた立役者が、現在、同社代表取締役会長兼社長CEOを務める尾山基氏である。

※ナイキ共同創設者兼会長フィル・ナイトへのインタビュー要約を集録

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