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エクスポネンシャル・オーガニゼーション
――飛躍的組織とは

「シンギュラリティ大学」創業ディレクター サリム・イスマイル氏に聞く

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――そうしたSCALEから生まれる膨大なアウトプットを活用するには、飛躍型企業の内部に運用制御メカニズムが必要になりますね。その内部構造の5要素であるIDEAS(インターフェース、ダッシュボード、実験、自律型組織、ソーシャル技術)はどのようなものでしょうか。

 例えば、様々なコンテストを開催しているXプライズ財団では、1回のコンテストで数百ものアイデアが生まれますが、その内容を評価してリストに載せ、ランク分けしたり優先順位付けしたりする必要があります。インターフェースは、こうした外側のSCALEと内側の管理フレームワークIDEASを橋渡しする役割を担います。この古典的な例ともいえるのが、グーグルの広告出稿サービス「アドワーズ」です。現在は売り上げが数十億ドル規模になっていますが、このスケーラビリティの基盤となっているのが自動設定。アドワーズ利用者向けのインターフェースは完全に自動化されており、人間が手を加える必要はまったくありません。

 前述したクラウドソーシング企業は、新製品のアイデアを出してから商品化して小売店の店頭に並べるまで1カ月以下で行ないます。同社のコミュニティには100万人の発明家が集まっており、その誰もが自分のアイデアを商品化したいという熱意を持っています。ですから、この大きなコミュニティを管理し、参加者を評価したり情報を取捨選択したりして、密接な関係を築く特別な仕組みが必要でした。そこで同社のような飛躍型企業は、SCALEからのアウトプットを体系的かつ自動的に取捨選択し、必要な加工ができるようなシステムを構築しているのです。インターフェースを使えば、より効果的で効率的な処理が可能になり、エラーも抑えられる。企業を指数関数的に成長させるためだけでなく、シームレスでグローバルな成長にもインターフェースは不可欠です。

 こうしたインターフェースをはじめ、組織の状態をリアルタイムで測定・管理するダッシュボード、仮説を検証してリスクをコントロールした環境下で行なう実験、俊敏性を高める自律型組織、水平的なコミュニケーションを実現するソーシャル技術は、SCALEからもたらされる膨大なアウトプットの活用に不可欠な内部要素です。

出典:「シンギュラリティ大学が教える飛躍する方法」(日経BP社)
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