Going Digital 社会、市場のデジタル化を日本企業変革のチャンスにする

エクスポネンシャル・オーガニゼーション
――飛躍的組織とは

「シンギュラリティ大学」創業ディレクター サリム・イスマイル氏に聞く

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――飛躍型企業は、外部環境に関する5要素であるSCALE(オンデマンド型人材、コミュニティとクラウド、アルゴリズム、外部資産、エンゲージメント)を活用し、パフォーマンスを向上させているとのことですが、この外部環境の活用についてもう少し具体的に教えてください。

 組織の外にいる人材の活用(オンデマンド型の人材調達)は、飛躍型企業の成否を握る要素といっても過言ではありません。いかに自社の社員が優秀であったとしても、彼らのスキルはあっという間に陳腐化し、競争力を失っていくからです。

 社員がスキルを更新できずに企業の大きな負担になる可能性を考えると、現代の企業にとって正社員を多く雇い入れることは大きなリスクを伴います。変化が激しく、インターネットが主導する市場では、人材ギャップを埋めるために外部の人々を臨時で雇う企業がますます増加していくでしょう。例えば、オーストラリア最大の保険会社、AMPは、組織の能力を最新の状態に維持するため、総勢3000人弱からなるIT部門の半数を契約社員にしています。

 また、アイデアの創造や資金調達、デザイン、流通、マーケティング、販売など、これまで社内にあった多くの機能をコミュニティやクラウドに依存するようになっているもご存知の通りです。飛躍型企業にとって社外環境とは、自分自身の組織を拡張するものであり、そこには数千人規模のコミュニティと、数百あるいは数十億人規模のクラウドが控えているのです。このようなコミュニティとクラウドの登場により、飛躍型企業の正社員数は減少傾向にある一方、柔軟に活用できる人材は増加傾向にあります。その結果、俊敏性が増し、以前よりもずっと速い速度でアイデアを普及できるようになっています。

 このほか、飛躍型企業は、機械学習とディープラーニングをはじめとしたアルゴリズムや外部資産、人々の協調的な行動を生み出すエンゲージメントを活用して、企業と外界との境界線を越えてスケールし、柔軟性やスピード、俊敏性、学習効果を最大化しています。

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