組織のあり方を、いかに変えるべきか
――書評『経営組織論』

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ハーバード・ビジネス・レビュー編集部がおすすめの経営書を紹介する連載。第72回は神戸大学大学院教授の鈴木竜太氏による『経営組織論』を紹介する。

多様性を増す、組織の形

 私たちの働き方や生き方が多様になる現代、人と組織がどのような関係を築いていくのか、組織はどのようなあり方を目指すべきなのかへの関心が高まっている。人は企業とではなく仕事と契約し、かつ企業とも信頼で結びつく――そんな働き方を提示した『アライアンス』や、従来のようなヒエラルキー組織ではない、自律分散型を志向した『ティール組織』など、人と企業、組織の関係性の変化に着目した書籍が、近年数多く登場している。

 では、なぜ私たちは、従来型の組織に対して疑問を持ち、新しい組織のあり方を模索するのか。従来型の組織が抱えがちな問題は何なのか。これらは簡単に思えるが、改めて聞かれると、答えに窮してしまうかもしれない。本書では、新しい動きを考える前に、いま一度考えたい「組織とは何か」や「組織をつくる意義」というテーマについて、組織論というレンズを通して向き合うことができる。
 
 本書の著者である鈴木竜太氏は、経営組織論・組織行動論を専門とする気鋭の研究者である。理論と聞くと、学者の世界のことで、ビジネスパーソンが学ぶ意義は何なのかと思う方もいるかもしれない。しかし、鈴木氏は「経営組織論は1+1を2よりも大きくすること、2よりも小さくしないことが目的である実践的な学問領域」「組織をもっと良くしたいと考える人にぜひ読んでもらいたい」と述べる。

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