自社の戦略について問うべき
8つの厳しい質問

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自社が選んだ「競争の方法」、それを可能にする「ケイパビリティ」、そして「製品・サービス」には、互いに一貫性があるだろうか。筆者によると、これが企業戦略における最も重要な問いであるという。


 戦略と実行に関する、次のような厳しい質問に答えられない企業が多い。

 経営陣として、自社が市場で価値を創造する方法をはっきり理解しているか。その価値提案を実現するにあたり、他社より秀でていなければならない少数のケイパビリティを、明確に述べられるか。そのケイパビリティに実際に投資しており、それは自社の取り扱う製品・サービスの大部分と整合しているか。

 上記を含め、下図で示す厳しい質問に対する答えが「イエス」ならば、あなたの会社は数少ない選ばれし企業だ。我々の経験上、今日のビジネス界における最大の問題の1つは、こうした基本的な問いを立て、それに答えている企業が少なすぎることだ。

 その理由は何だろうか。リーダーがこうした事柄を話題にするのは、それほど困難なことだろうか。

 経営幹部は答えに窮する質問を避ける傾向がある。あるいは、リーダーや従業員はこんなふうに考えているかもしれない。CEOは1年以上にわたり陣頭指揮を執っており、戦略はすでに実施されているから、いまはそんなことを尋ねるべきではない、と。こういう質問をすべき時期はもう過ぎたと感じているかもしれないし、非難していると見なされたくないのかもしれない。

 経営幹部によっては、戦略の明確性の欠如をむしろ歓迎する人もいる。そのほうが、自身の優先事項を追求することができるからだ。

 CEO自身は、就任当初にこうした質問に対処することが多いが、与えられた状況にやりにくさを感じることも多い。一貫性に欠ける事業ポートフォリオや、短期的な目標達成への重圧によって、注意が逸れてしまうのだ。

 経営陣が継続的にこうした問いを自問しない場合は、取締役会の出番だ。さまざまな面で会社の長期戦略の方向づけを担う取締役会は、みずからが答え探しに直接参加するか、そうでなければ、せめて経営陣にそれを問うて、答えを要求すべきであろう。ところが、ほとんどの取締役は、戦略プロセスに加わった時期が遅すぎて、有意義な関与をするのが難しいと感じている。

 その結果、戦略と実行の連携に関する厳しい質問がされずじまいになることが多い。

 では、戦略に関する最も重要な質問に説明責任を果たす文化を醸成するために、企業ができることは何だろうか。リーダーが検討すべきは次の3つの方策である。

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