論文セレクション

「課題設定の力」関連論文

『DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー』では毎月、さまざまな特集を実施しています。ここでは、最新号への理解をさらに深めていただけるよう、特集テーマに関連する過去の論文をご紹介します。

 2018年2月号の特集は「課題設定の力」と題して、私たちが「解くべき問い」をいかに見つけるかを考察する。

 ロジックツリーやMECE(ミッシー)などの考え方が広まり、論理的に問題解決できる人は増えている。その一方で、多くの分野で成長に陰りが見えていることから、それを打破する手法が求められている。そのためには、消費者が気づかないニーズや、生産や流通など企業活動での潜在問題を見つけることが不可欠である。「解決すべき課題は何か」を考える課題設定の力を高めることが、企業や人の活動の付加価値向上につながる。

 コンサルタントのトーマス・ウェデル=ウェデルスボルグによる「そもそも解決すべきは本当にその問題なのか」では、問題を正しく定義する手法が論じられた。多くの企業が自社の問題解決能力にはそれなりに自信を持っている。それに対して、解くべき問題を見極めること、すなわち問題診断は苦手としている。だが、創造的な答えを導くには、そもそも何が解決すべき問題なのかを理解することが不可欠である。本稿では、そのために「リフレーミング」という手法が提示される。問いの設定を誤ったまま漫然と行動することを避け、自社にとっての問題を正しく定義するうえで有効な、7つのコツが示される。

 IDEO Tokyo ディレクターの野々村健一による「IDEO流問いかける力」では、IDEOが実践する「問いかけ」の手法が明かされる。未来を予測することが非常に困難な時代に生きる私たちは、個人も組織も、みずから未来をつくっていくしかない。誰もがゼロから新たな価値を創造する場面に直面しうる中で役に立つのが、「問いかけ」によるアプローチである。本稿では、クリエイティブなアイデアにつながる「最初の問いかけ」の設定から、アイデアを発展させる「問いかけの変化」のプロセスまで、実践例を交えながら論じる。

 ラモン・リュイ大学ESADEビジネススクール准教授のバート・デ・ランゲらによる「リニア思考の罠から逃れる4つのステップ」では、非線形に思考する具体的方法が示された。私たちは、販売数量が増えれば、売上高が増えるというように線形(リニア)な関係で物事をとらえがちである。しかし、世の中は必ずしもそうした関係だけで成り立っているわけではない。にもかかわらず、線形な関係だと思い込んでいると、無駄が生じたり、重要な意思決定を間違えたりしてしまう可能性がある。本稿では、私たちが陥りがちな線形バイアス、よく見られる非線形のパターン、バイアスを回避するための4ステップについて解説する。

『ハーバード・ビジネス・レビュー』シニアエディターのスコット・ベリナートによる「ビジュアル・コミュニケーション:データの可視化で解を導く」では、抽象化の重要性が語られる。ビジュアル・コミュニケーション──具体的にはデータの可視化は今日、マネジャーにとって必須のスキルである。その方法でしか理解できない仕事が多くなっているからだ。この変化を推進しているのが、圧倒的なスピードとボリュームで収集されるデータである。意思決定はデータ依存度を深め、視覚化などの抽象化プロセスなしには理解できなくなっている。

 東京大学エグゼクティブ・マネジメント・プログラム企画推進責任者の横山禎徳による「課題設定は意志から始まる」では、課題設定の要諦が論じられる。現在の延長線上に未来はないといわれて久しいが、政府も企業もいまだに、リニア(線形)思考から脱け出せていない。いま求められているのは、複雑な物事を安易な方法で単純化して、わかった気持ちになることではない。現実世界の複雑性を受け入れながら、真に向き合うべき課題を見抜いたうえで、創造的な解決策を導くことである。

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