Going Digital 社会、市場のデジタル化を日本企業変革のチャンスにする

自己変容する組織:Living Organization-(2)
~VUCA・デジタルディスラプションを勝ち抜く人材・組織の姿~

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日本企業がVUCA・デジタルディスラプションを勝ち抜き、グローバルの価値創出競争のメジャープレーヤーとして復活するには、組織を「生物」としてとらえ直し、絶え間ない自己変容ができる組織=Living Organizationへ変革することが重要だ。Living Organizationの5つの特長を紹介するとともに、変革に必要なプロセスを解説する。

特長①個人と会社の成長の同期化

 会社のPurpose(単なる成長ビジョンを超えた、企業としての存在意義・ミッション)と社員個人のアスピレーション(自分が人生において成し遂げたいこと)のベクトルが擦り合い、社員が高いエンゲージメントで仕事をし、働き手価値(EVP)と企業価値をスパイラルに向上できる組織

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出所:アクセンチュア

 これまで、日本企業は会社の論理が優先し、社員個人のアスピレーション(志)はあまり重視されてこなかった。VUCAの時代、変化の予兆を察知するアンテナは現場にあり、社員一人ひとりが自律的に問題発見をして、課題を解決していくことが極めて重要になっている。社員の自律性の根っ子にあるのは、自分が何を一体やりたいのかというアスピレーションである。近年のポジティブ心理学の研究で、従来の人間はがんばって成果を出すからハッピーになるという常識は実は違っていて、自分がやりたいことができると人間はハッピーになり、ハッピーであるがゆえに大きな成果が出るというのが、本当のハッピーサイクルであることがわかってきている。

 またアンジェラ・ダックワースが提唱しているGRIT(成功する人とそうでない人を分ける最大要因はIQでも親の年収でもどこの学校を出たかでもなくやり抜く力にあるという考え方)も、根っ子に自分のやりたいことがあるから、どんな試練にも立ち向かえ、失敗してもまた挑戦することができるのである。自分のアスピレーションを明確に持ち、その実現に自分がコミットしている状態をリード・ザ・セルフと筆者は呼んでいる。野田智義氏が言うように、リード・ザ・セルフがあってこそ、その思いに仲間が共鳴しついてきてくれる(リード・ザ・チーム)、そしてそれが大きく世のなかを変えること(リード・ザ・ソサイエティ)にもつながるのである。

 企業は、社員個人のリード・ザ・セルフを促しながら、自社Purposeを明確に提示し、自社という場が社員個々のアスピレーションの実現にどうつながるのかということを、社員に考えさせ、腹落ちさせることをやらないと、志と能力のある社員は自己実現が図れるほかの場を求めて去っていく。

 リード・ザ・セルフをやったうえで、社員のエンゲージメント(働き手価値)を向上させる5つのレバー(図2)のうち、自社にどこに問題があって、どのレバーを引くのかを見定め、打ち手を講じ、かつその改善状況をエンゲージメントサーベイを通じて定点観測していく必要がある。

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出所:アクセンチュア
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