Going Digital 社会、市場のデジタル化を日本企業変革のチャンスにする

「線形」から「ネットワーク型」へ
デジタル時代におけるサプライチェーン改革の視点-(2)

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アクセンチュア・ストラテジーが提唱する「デジタルサプライネットワーク」は、供給に関わる機能同士が直接つながるクモの巣状の「ネットワーク性能」をどう高めるかを検討するものである。前稿(1)では、そのコンセプトが意図するところを解説したが、「デジタルサプライネットワーク」のコンセプトでサプライチェーンの変革にチャレンジしていくには、従来の典型的「サプライチェーン部門」が組織の能力としてもう一段進化しなくてはならない点がある。

※前編(1)はこちら http://www.dhbr.net/articles/-/5133

「いま、答えるべき問い」に大きな違い

 日頃サプライチェーンの改革検討をするなかで、一般的な企業とサプライチェーン先進企業双方のCOOが認識する「いま、答えるべき問い」に大きな違いを感じることがある。一般的な企業のCOOはこれまで同様、今後起こり得るビジネス・製品に対応する最適なサプライチェーンの「あるべき状態(TO-Be像)は何か?」が問いであることに対し、サプライチェーン先進企業のCOOは「柔軟な変化力を高めるために必要な準備は何か?」が問いである。

 また、一般的な企業のCOOは、サプライチェーン検討に精通している方である場合、下記のような検討アプローチを想定する。「サプライチェーンのあるべき状態(TO-Be像)は何か?」に答えるために無駄のないアプローチといえる。

●会社が持つ複数のビジネスポートフォリオや製品の供給特性の共通項をくくり出す

●共通項でくくり出された供給特性に適した線形のサプライチェーンのパターンを最小限に整理する

●コストを試算しながらサプライチェーンのパターンを物理拠点配置に転写する

●物理拠点配置を実現するためのロードマップを策定する

 一方でサプライチェーン先進企業COOは「柔軟な変化力を高めるために必要な準備は何か?」について答えるために下記のような検討アプローチを設定する。

●自社で今後予想される「コトの供給」パターンを販売・商品開発側のチームとともに棚卸しし、サービスレベルとともに合意(Sign-off)する

●今後自社のサプライチェーンに取り入れられ得る新テクノロジーとその成熟度を理解するために3PLやスタートアップを招いてワークショップを行う

●新テクノロジーの理解を基に「コトの供給」パターンに応じて「機能」間の連携ルートを構想し、物量の増加に伴う切り替えシナリオをつくる

●各シナリオにおいて新設あるいは強化すべき機能を明確にする(例:工場が多品種生産可能化が必要といったレベル
各機能がつながるためのIT/IOTインフラ面での整備ポイントを明確にする(例:データの持ち方、外部業者と連携するAPIの標準化、IT/IOTネットワークの仮想化なども含む)

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