論文セレクション

「テクノロジーは戦略をどう変えるか」関連論文

『DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー』では毎月、さまざまな特集を実施しています。ここでは、最新号への理解をさらに深めていただけるよう、特集テーマに関連する過去の論文をご紹介します。

 2018年1月号の特集は「テクノロジーは戦略をどう変えるか」と題して、昨今の技術進化が経営にいかなる影響を与えるのかを議論する。

 歴史を振り返ると、技術革新により産業構造が一変するたび、企業は戦略の転換を迫られてきた。今日、AI、IoT、VR/ARなど、さまざまなテクノロジーが加速度的な進歩を遂げながら普及しており、競争環境は変わり続けている。私たちは、この破壊的変化にどう向き合うべきなのか。

 ハーバード大学ユニバーシティ・プロフェッサーのマイケル E. ポーターと、PTC 社長兼CEOのジェームズ E. ヘプルマンによる「AR戦略:拡張現実の並外れた可能性」では、AR(Augmented Reality:拡張現実)に焦点を当てた。戦略論の大家であるマイケル E. ポーターはこれまでも、技術と戦略についてさまざまに論じてきた。IoT(モノのインターネット)と戦略をめぐる論文も話題を集めたが、今回デジタルのデータやイメージを物理世界に重ね合わせるこの技術群は、デジタルとリアルの世界の隔たりを縮め、いまだ開拓されていない人間の能力を引き出す。本稿では、ARの本質、進化するその関連技術と応用形態、ARが極めて重要である理由を解説する。

 マサチューセッツ工科大学スローンスクール教授のエリック・ブリニョルフソンと、同大学デジタルビジネスセンター首席研究員のアンドリュー・マカフィーによる「人工知能が汎用技術になる日」では、人工知能(AI)に焦点を当てる。AIという言葉が生まれたのは1955年。以来、本来の実力を超えて、現実離れした期待と見通しを世間に生み出してきた。そのため「AIは飛躍的な進歩を遂げる」という考えが広まる一方で、強い懐疑論も生まれた。本稿では、AIが現在すでに実現していることと、その発展がどれほど急速かを確認したうえで、AIが秘める本当の可能性とそれが実務に与える影響、そして導入の障壁について論じる。

 3DロボティクスCEOのクリス・アンダーソンによる「ドローン・エコノミー:データ取得の革命がビジネスを変える」では、ドローン技術に焦点を当てる。ドローンはもともと、軍事利用を念頭に開発された武器である。それがいまや、誰でもどこでも買える玩具として流通したり、ビジネスの道具としても積極的に活用され始めたりしている。ドローンが最も力を発揮するのは、「モノの配達」ではなく「データの取得」である。そして、ドローンの自動運転技術が確立され、地球の完全なるデータ化が実現するという革命が起きた時、そこには巨大な市場が生まれる。クリス・アンダーソンは、そう主張する。本稿では、日々進化を遂げる「ドローン・エコノミー」が、ビジネスにいかなる変化をもたらすかが示される。

 コマツ代表取締役社長兼CEOの大橋徹二氏へのインタビュー「経営者ならば、技術の目利きであれ」では、進化する技術を企業はどう活かせばよいのかが語られる。建設機械メーカー大手のコマツは、約20年前からGPS(全地球測位システム)など先進技術の活用により高い機械稼働率を実現してきたが、大橋徹二氏が社長に就任して以来、その動きが加速している。業界に先駆けてドローンを測量に使用し、土木工事プロセス全体の3次元データをクラウドで一元管理するなどして、施工効率を飛躍的にアップ。2017年10月から同システムをオープン化し、業界全体での生産性向上を図る。「技術進歩が速い今日、最新技術の見極めと活用が競争力を決める」と考え、スピーディに最先端技術を取り込み製品化する。

 元『ハーバード・ビジネス・レビュー』シニアエディターのアラン M. カントローによる「経営戦略と技術をどう結び付けるか」は、DHBR1980年12月号に掲載された翻訳を見直し、再掲載したものである。この論文が発表された時期は、ちょうど技術上の問題は戦略上の意思決定の中で議論すべき、という考えが広まった頃であった。本稿では、それ以前の、技術をめぐる問題について経営戦略、経済学、組織、製造などの視点から論じたさまざまな文献をひも解き、その答えを探っている。技術とは「企業が自社の創造力を財やサービスへと具現化して成功をつかむための、計画と生産に関する精緻な体系」であることはいまも変わらない。

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