DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー読者が選ぶブックランキング2017の結果発表

今年も「DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー読者が選ぶブックランキング2017」の結果が発表された。2016年10月から2017年9月までに発行された書籍の中から人に薦めたいと思える経営書を3冊まで投票してもらった。

圧倒的な支持を集めた
今年を代表する1冊!

 弊誌では、今年5回目となる「DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー読者が選ぶブックランキング2017」を実施しました。この選書の対象となったのは、2016年10月から2017年9月までに発行された書籍。編集部が読者に「他の人に薦めたい本」「後世に残したいもの」と呼びかけ、3冊まで投票してもらいました。

 1位に選ばれたのは、リンダ・グラットンほか著『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』。2位は伊賀泰代著『生産性』、3位はクレイトン・M・クリステンセンほか著『ジョブ理論』となりました。

順位 書名 著者名 出版社
1位  LIFE SHIFT
(ライフ・シフト)
 リンダ・グラットンほか  東洋経済新報社
2位  生産性  伊賀泰代  ダイヤモンド社
3位  ジョブ理論  クレイトン・M・クリステンセン  ハーパーコリンズ・ ジャパン
4位  プラットフォームの教科書  根来龍之  日経BP社
5位  稲盛和夫の実践アメ-バ経営  稲盛和夫ほか  日本経済新聞出版社
6位  コトラーのマーケティング4.0  フィリップ・コトラーほか  朝日新聞出版
7位  リクルートのすごい構“創”力  杉田浩章  日本経済新聞出版社
8位  経営の針路  平野正雄  ダイヤモンド社
9位  40歳が社長になる日  岡島悦子  幻冬舎
10位  OPTION B  シェリル・サンドバーグほか  日本経済新聞出版社

 1位に選ばれた『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』は、まさに今年を代表する1冊。各種メディアでも、数多く取り上げられていましたが、弊誌読者からも熱い支持を集めました。長寿化家が進む現代、自身の選択と価値観で、人生の歩み方が大きく変わることを示します。

(右)リンダ・グラットン
ロンドン・ビジネススクール教授。人材論、組織論の世界的権威。世界で最も権威ある経営思想家ランキング「Thinkers50」では2003年以降、毎回ランキング入りを果たしている。
(左)アンドリュー・スコット
ロンドン・ビジネススクール経済学教授、前副学長。マクロ経済に主な関心を持つ。

【本書を推薦した読者の声】

・人生100年といういままでにない前提条件で、複数のシナリオを提示する斬新な内容だった。(30代・男性)

・日本の政策にも影響を与えるほど、近未来を的確に予想した書。本書の内容は現実的でかつ刺激的だ。(30代・男性)

・『ワーク・シフト』に続き、含蓄に富んでいる。100%同意はしないが、議論の源として秀逸。(40代・女性)

・企業の人材構成が変わり、いまは異端と映る人が時代の潮流に乗る人となる。いまから未来に備える必要があると感じた。(40代・男性)

現代の世相を反映。
働き方を考える一助に

 2位に選ばれたのは伊賀泰代氏の『生産性』。前著『採用基準』も2013年に本アワードで2位に選ばれており、2度目の受賞となっています。「働き方改革」が叫ばれるいま、生産性という概念は、多くのビジネスパーソンの関心を集めました。

伊賀泰代(いが・やすよ)
組織・人事コンサルタント。一橋大学法学部を卒業後、日興證券引受本部(当時)を経て、カリフォルニア大学バークレー校にてMBAを取得。1993年から2010年末までマッキンゼー・ジャパンにて、コンサルタント、および、人材育成、採用マネージャーを務める。2011年に独立。

【本書を推薦した読者の声】

・シンプルな記述で腑に落ちる本。生産性に関する基本的な向かい合い方の参考になる。(50代・男性)

・この本を読んで、インプットを増やさずにアウトプットを上げる方法を真剣に考えるようになった。(30代・女性)

・当たり前のことが当たり前に書かれているが、管理職の教育用にベストな書籍であると感じる。(40代・女性)

 

 著者の伊賀泰代氏からは、下記のようなコメントが寄せられました。

 前著『採用基準』に続き、DHBRの読者の皆様から高い評価をいただけたこと、大変嬉しく思います。前著ではリーダーシップを、本著ではホワイトカラーの生産性を取り上げました。この2つこそ、日本企業の国際競争力を左右する組織・人事分野の重要課題だと考えたからです。

 昨今の「働き方改革」については、残業時間ばかりが取りざたされることに違和感がありました。単なる労働時間の短縮では、企業も人も成長できません。また、細かな効率化のノウハウに終始するのではなく、人材投資とマネジメント判断、イノベーティブな発想によって「成果を上げて生産性を上げる」という(分母側ではなく分子側に注目した)方法論の重要性を伝えることも執筆の目的でした。

 会議時間の短縮方法ではなく会議の生産性の上げ方、資料の効率的なつくり方ではなく意思決定の生産性を高める資料のつくり方など、具体的な手法も紹介しましたので、ぜひご活用ください。

『イノベーションのジレンマ』クリステンセンの最新刊

 3位に選ばれたのは『ジョブ理論』。イノベーションのジレンマでもお馴染み、クリステンセンらによる著作です。その製品やサービスで「顧客は何を達成したいのか」。運頼みではなく、体系的にイノベーションを起こすうえで不可欠な概念を説いています。

クレイトン・M・クリステンセン(写真)
ハーバード・ビジネス・スクールのキム・B・クラーク記念講座教授。9冊の書籍を執筆し、ハーバード・ビジネス・レビュー誌の年間最優秀記事に贈られるマッキンゼー賞を5回受賞。イノベーションに特化した経営コンサルタント会社イノサイトを含む、4つの会社の共同創業者でもある。「最も影響力のある経営思想家トップ50」(Thinkers50、隔年選出)の、2011年と2013年の1位に選出されている。
タディ・ホール
ケンブリッジ・グループのプリンシパルで、ニールセン社のブレークスルー・イノベーション・プロジェクトのリーダーを務める。
カレン・ディロン
ハーバード・ビジネス・レビュー誌の元編集者。コーネル大学・ノースウエスタン大学メディル・ジャーナリズム学院卒業。2011年、アショカ財団によって世界で最も影響力のある女性のひとりに選出される。
デイビッド・S・ダンカン
イノサイト社のシニア・パートナー。イノベーション戦略および成長に関する先進の研究者兼アドバイザー。デューク大学卒、ハーバード大学で物理学の博士号取得。

【本書を推薦した読者の声】

・既存事業の刷新、新事業、新サービスの構築において、顧客への価値を提案するヒントとなる要素が豊富。(40代・男性)

・何か特定の問題を「片付ける」ために、製品・サービスを「雇用」するという考え方に、はっとしました。(50代・女性)

・イノベーションを「ジョブ」という切り口で整理し、より実践に役立つ形で提示している。(40代・男性)

・これまでのクリステンセン理論の集大成であり、全マーケター必読の本。(20代・男性)

 

11位~20位のランキング

順位 書名 著者名 出版社
11位  マッキンゼーが予測する未来  リチャード・ドッブスほか  ダイヤモンド社
12位  AI経営で会社は甦る  冨山和彦  文藝春秋
13位  「学習する組織」入門  小田理一郎  英治出版
14位  ヤフーの1on1  本間浩輔  ダイヤモンド社
15位  9プリンシプルズ  伊藤穰一ほか  早川書房
16位  イノベーションを起こす組織  野中郁次郎ほか  日経BP社
17位  カルロス・ゴ-ンの経営論  太田正孝ほか  日本経済新聞出版社
18位  SPRINT 最速仕事術  ジェイク・ナップほか  ダイヤモンド社
19位  いまさら聞けない ビットコインとブロックチェ-ン  大塚雄介  ディスカヴァー・トゥエンティワン
10位  失敗の科学  マシュー・サイド  ディスカヴァー・トゥエンティワン

 ここで、投票の裏側も少し公開します。

 1位の『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』は、他の2冊に比べ、30代の読者からの支持が厚いです。

 投票者の性別と居住地は下記の通りです。

 今年のランキングは特定のジャンルに偏ることなく、バラエティに富んだラインナップとなりました。そのような中で一つ、今年を象徴するキーワードを挙げるとすれば、「生き方・働き方」ではないでしょうか。長期視点でこのテーマについて問いかける『LIFE SHIFT』のような書籍が支持を集める一方で、喫緊の課題として働き方について考える『生産性』のような書籍もランクインしています。現代の課題を解決する書籍と、未来の指針となる書籍。ビジネスパーソンが求める知の幅は、かつてなく広がっているのかもしれません。

 詳しいランキングは弊誌2018年1月号(12月9日発売)で詳細に紹介されるとともに、全国の主要書店にてフェアも開催予定です。

 最後に投票にご協力いただきました読者の皆さまに篤く感謝申し上げます。

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