同僚や上司との間で起こりがちな、
7つの微妙な状況への対処法

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自分のアイデアを上司に横取りされたり、急な残業を頼まれたり、同僚に言いにくいことを伝えなければならなかったり……さまざまな個性が同じ場所で働いていれば、ストレスを感じる状況に直面するのは珍しくない。そうしたとき、的確な対応ができずに苦しんだこともあるだろう。筆者は本記事で、職場で起こりがちな7つの状況を提示し、そこで言うべきフレーズまでを具体的に示す。


 あなたにもきっと、こんな経験があるはずだ。同僚や上司、あるいは顧客とのやり取りの最中、気持ちが動転し、頭は高速回転しているのに、のしかかるプレッシャーで言うべき言葉が口から出てこない……。

 バーナード・カレッジ学長で、Choke(未訳)の著者でもあるシャーン・ベイロックによれば、こうした「分析麻痺」は、心配やプレッシャーによって、脳にいきなり過大な負担がかかるときに起こる。その結果、精神的、心理的、または感情的な難題に対応できず、肝心な瞬間に何もできなくなってしまう。

 これは多くの人が職場で経験することだ。だが、いざというときに備えて、いつでも取り出せるようにしておくといいフレーズがいくつかある。それらを使ってその場を切り抜け、主導権を取り戻せるように流れを変えればいい。

●状況1:アイデアの手柄を横取りされる

「ケイティはホスピタリティ企業の最高執行責任者(COO)で、優れた戦略眼の持ち主だ。白熱した議論の最中、彼女は新たな人材戦略に向けて舵を切るよう経営幹部に提言する。 だが、そのアイデアはすんなりと受け入れられない。その後、IT部門を率いるデイブが、彼女のアイデアを彼自身の言葉で再提言する。すると経営幹部たちは、“彼の”アイデアを支持する」

 こうした状況は、もし起きたらという仮定ではなく、ほぼ確実に起こりうる。問題は「いつ」起きるかだ。

 あなたは的確な意見を述べたが、受け流されるか、素っ気なく却下された。数分後あるいは数日後、同僚かマネジャーが、あなたの提案を自分自身の意見であるかのように言い直す。内容はまったく同じにもかかわらず、周囲はそれを称賛し、評価する。

言うべきフレーズ: 「私の提案にスポットライトを当てていただき、ありがとうございます」

なぜ効果があるのか:落ち着いて口にすれば、このフレーズには次の効果がある。

・あなたの貢献が横取りされたことを正式に知らせることで、過小評価されないようにする。
・非難することなく、アイデアはあなたのものであると、正しく認識させる。
・この件についてマネジャーと取り組むとき、あなたを優位に立たせる。
・続けて、他のメンバーの前で提案の詳細を説明したり、影響を明らかにしたりすれば、アイデアの出どころが自分であることをいっそうアピールできる。

「ケイティは間髪を入れず対応した。『デイブ、私の提案にスポットライトを当てていただき、ありがとうございます。これとあわせて考慮すべき点が他に2~3あります。それらについて、ざっと概要を説明します。次回のミーティングでは、より掘り下げて検討しましょう』。 経営幹部陣は改めてケイティに関心を向け、本件のキーパーソンは彼女であるとの認識のもと、話し合いを進めた」

●状況2:私用のために退社しようとしているとき、残業するように頼まれる

「ヘザーは、都会にある大病院の内科医だ。水曜日の午後4時、彼女は1時間の病院運営会議に出席する。午後5時までに病院を出れば、帰宅してベビーシッターと交代でき、シッターが自分自身の子どもたちを習い事に連れて行くのに間に合う。午後5時、ヘザーは退出しようと立ち上がる。病院運営幹部の1人が彼女に、会議終了まであと数分だからもう少し残れないかと尋ねる。ヘザーは同僚から『勤務意欲が低い』と判断されることを恐れ、ベビーシッターと交代するために退出したいとは言いたくない」

言うべきフレーズ:「すみませんが、別の予定が入っています」

 子どもを託児施設に迎えに行くこと、親を介護施設に入居させること、親友の手術前相談に付き添うことは、決まった時間に必ず行うべきことだ。愛する相手があなたに頼っている場合は、特にそうである。勤務先がどれほど家族に理解のある職場だとしても、家庭の事情を同僚に説明すれば、不興を買うおそれがある。

なぜ効果があるのか: 上記のフレーズを使えば、反感を買うリスクが以下の理由で最小化される。

・個人的な事情を察することを、暗黙のうちに正当に求めるのに役立つ。
・個人の領域であることを明らかにし、それを無視して理由を詮索すると、余計なおせっかいに見えかねない。
・あなたの退出理由について必要以上に共有せずにすむ。

「ヘザーはノートパソコンとバッグを引き寄せながら、『すみませんが、別の予定が入っています』と言った。別の内科医が『どちらへ? 何か楽しいことでも?』と尋ねた。ヘザーは会議室のドアに向かって歩きながら、 水の入ったボトルをつかみ、こう別れの挨拶をした。『この会議よりもずっと前に予定に入れていただけのことです。今日のことは、明日必ず確認しておきますね』」

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