論文セレクション

「GE:変革を続ける経営」関連論文

『DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー』では毎月、さまざまな特集を実施しています。ここでは、最新号への理解をさらに深めていただけるよう、特集テーマに関連する過去の論文をご紹介します。

 2017年12月号の特集は、「GE:変革を続ける経営」と題して、ゼネラル・エレクトリック(GE)に焦点を当てる。

 GEは、世界150カ国以上で事業を展開し、30万人を超える社員を抱える巨大企業である。にもかかわらず、組織の機敏性を失うどころか、リーダーが常に時代の先を行く大胆な意思決定を下し、それを着実に実行し続ける稀有な存在である。GEはなぜ、100年以上の歴史を誇る伝統企業でありながら、スタートアップのように変革を先導し続けられるのか。

 本特集では、同社前CEO兼会長であるジェフリー R. イメルトの寄稿をはじめ、さまざまな視点から、その要諦を探る。

 前ゼネラル・エレクトリックCEO兼会長のジェフリー R. イメルトによる「GEで切り拓いたデジタル・インダストリアル・カンパニーへの道」では、2017年7月末に退任したイメルトみずからが、GEでの経営を振り返り語る。彼はおよそ16年間という長期にわたり、30万人の巨大組織を率いたが、その経営は、GEの事業ポートフォリオを再構築し、イノベーション戦略、グローバル化、戦略の焦点の明確化、組織マネジメントの分野で、大規模な変革を伴うものだった。

 ハーバード・ビジネス・スクール教授のランジェイ・グラティによる「GGO:ローカル事業育成の戦略組織」では、GEのグローバル戦略の成功の秘訣が明かされる。グローバル企業はしばしば、ローカル事業とグローバル事業で利益相反が起き、調整に大きなコストがかかる。しかし理想は、未開拓の地域をグローバル事業に欠かせない市場へ転換することである。地域と事業部門を束ねて成長市場を開拓するべくGEが立ち上げた組織グローバル・グロース・オーガナイゼーション(GGO)は、創造的摩擦を繰り返しながら、理想を実現している。

『ハーバード・ビジネス・レビュー』シニアエディターのスティーブン・プロケッシュによる「アナリティクスによるGE式人材管理」では、独自の人材マネジメントの仕組みが示される。人材は最も重要な資産であるが、多くの企業で、その管理をめぐる判断にはバイアスがかかっている。このことから発生する社員の不満や離職は、企業に多大な損害をもたらす。事業の大転換によって大量の人材が新たに入社したGEは、科学的に人材管理を行うため、アナリティクスを導入した。社員一人ひとりの職歴や特性を把握し、個々に必要な研修を行い、他の社員や仕事とマッチングさせるシステムである。

 GEジャパン代表取締役社長兼CEOの熊谷昭彦氏による「GEジャパンはローカルから変革を担う」では、ローカルから見た変革の意義が語られる。イメルトが先導したデジタル・インダストリアル・カンパニーへの挑戦は、GEの100年以上の歴史でも有数の大変革として語り継がれるだろう。ただ、イメルトが手がけた変革はデジタル分野に留まらない。GGOの設立で組織改革を進め、それまでの米国中心主義を脱却し、ローカルのリーダーに大きな意思決定権を与えたことも、同社に成長をもたらした要因である。

 慶應義塾大学准教授の琴坂将広氏による「GE:変革を続ける経営組織」では、GEの変革の歴史と経営理論の進化の歴史を並行して、丹念にひも解く作業を通して、経営組織が生き残り続けるための要諦を考察する。GEは、技術進歩が激しいテクノロジー企業としては稀に見る長寿企業である。そして単に生き残っているだけでなく、世界をリードする存在であり続けている。同社の経営の歴史を振り返ると、その時代の最先端とされる経営理論を実践しながら、絶え間ない変革を遂げてきたことが見て取れた。それはすなわち、長期的な視点に立って将来の変化を先取りし、自己否定を繰り返しながら組織と戦略を進化させてきたことを意味する。

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