Going Digital 社会、市場のデジタル化を日本企業変革のチャンスにする

世界の強豪と戦うためには
一切のムダは許されない

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ここ10年、多くの日本企業は成長性の鈍化に悩まされ、利益率が低下している。しかし、年々激化する生き残り競争を勝ち抜くためには、新規市場への参入や新製品の開発・生産などに挑戦するための資金づくりが不可欠となる。そこで今、日本でも始まっているのが、ゼロベースでコストを見直してキャッシュを生み出す「ZBB(ゼロ・ベースド・バジェッティング)」だ。アクセンチュアが以前から提唱しているZBBは、どのような手法で、どんな効果が期待できるのだろうか。

売上が増えても
利益率が却って下がっている日本企業

石川雅崇
アクセンチュア
戦略コンサルティング本部
顧客戦略グループ アジア・パシフィック統括 マネジング・ディレクター

同志社大学卒業後、1995年にアクセンチュア入社。ノースウエスタン大学経営大学院(ケロッグ校)アドバンスド ビジネスマネジメント プログラム(エグゼクティブMBA)修了。現在は、成長戦略領域のアジア・パシフィック統括として、デジタルによる企業成長戦略や新規事業戦略の立案、企業変革を推進。グローバルにおけるアクセンチュアの知見/論考を取りまとめるデジタル編集委員の一人。早稲田大学客員教授。「サーキュラー・エコノミー:デジタル時代の成長戦略」(日本経済新聞出版社)監訳。

――ZBB(ゼロベースでの予算設計)とは、どんな取り組みですか。

谷村 競争優位性を高め、成長を加速する戦略的なコスト管理を「ZBB(ゼロ・ベースド・バジェッティング)」と呼んでいます。具体的な取り組みの中心となるのが「ZBS(Spend、支出の削減)」です。企業が新規市場への参入や新たな製品の開発・生産などに挑戦するためのキャッシュを得るため、ゼロベースで予算を見直し、長期にわたる持続的なコスト削減を実現します。さらに、より深く見直す「ZBO(Organization、組織・人材管理の最適化)」「ZBFO(Front Office、営業の最適化)」などもあります。アクセンチュアではここ10年、ZBBの企業支援をグローバルに取り組んできました。

石川 ZBBによって驚異的なコスト削減をいち早く実現しているのがグローバルな消費財メーカーです。図1は、利益率の5年間の推移について示したもので、これを見ると、売上高が大きく伸びてもなお、高い利益率を維持していることがわかります。

 一方、日本企業はM&Aなどで売上高が増えても利益率が却って下がることが多く、これは無駄なコストを使っていることの証しにほかなりません。キャッシュを生み出すためには、図1のように利益率が右肩上がりで直線的に伸びていくのが理想です。

出所:Factiva *為替での差異をなくすため、各社の数字は2014年レートで円換算
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