Going Digital 社会、市場のデジタル化を日本企業変革のチャンスにする

報われるデジタル、報われないデジタル
~デジタル時代のチェンジマネジメント

1

自社の事業にデジタルを取り込んでビジネスモデルを転換していく「デジタルトランスフォーメーション」は、多くの企業にとって共通言語となりつつある。しかし、多くの企業においては、「将来の破壊的な変化のなかでも生き残る、または、自ら破壊的な変化を起こす」という目的に適った軌道に乗っているとは言えない。本稿では、先行企業の事例を分析し、デジタルへの転換を加速するための要諦を抽出したい。

デジタルへの転換はなぜ、うまくいかないのか

 グーグル、アップル、フェイスブックをはじめとするデジタルプレーヤーが、伝統的企業を押しのけて、世界の時価総額ランキングのトップ10に名を連ねるようになって久しい。今後も、あらゆる分野で情報化が進むと予測されており、破壊的な変化が生まれる可能性はさらに高まっている。こうしたなか、自社の事業にデジタルを取り込んでビジネスモデルを転換していく「デジタルトランスフォーメーション」は、多くの企業にとって共通言語となりつつある。

 実際に、幹部直轄の専門部署の設立、デジタル新規事業に対する特別投資枠の確保など、これを実践・加速化するための取り組みが立ち上がっているが、多くの企業においては、「将来の破壊的な変化のなかでも生き残る、または、自ら破壊的な変化を起こす」という目的に適った軌道に乗っているとは言えない。

[典型的な例]

●既存の事業とのカニバリゼーションを恐れるがあまり、自社の強みのある本業領域での取り組みを避けてしまう

●デジタル新規事業にも直近のキャッシュ(現金)、損益計算書(P/L)への貢献を求めるために実行に移される事業構想がきわめて限定的となってしまう

●既存事業のリソースやアセットを活用するための社内調整に時間と手間がかかりすぎてスピードが出ない など

 多くの場合、既存の制度や仕組みが足かせとなっており、デジタルを推進する現場部門は「報われない」まま戦うのか、足かせはないが小さい取り組みとして進めるかを迫られているのが実情だ。一方で、既存の組織・制度・プロセス・仕組みを抜本的に見直すことで、デジタルトランスフォーメーションに成功しつつある先行企業も出てきている。

次のページ  デジタル新組織を本社から切り離す»
1
Special Topics PR
Business Model 関連記事
Going Digital オピニオン」の最新記事 » Backnumber
最新号のご案内
定期購読
論文オンラインサービス
  • facebook
  • Twitter
  • RSS