チームで成果を上げるうえで不可欠な、
「安心感」を生み出す6つのステップ

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グーグルの2年間にわたる調査により、高いパフォーマンスを上げるチームには、ある1つの共通点があることが判明した。それは、「安心感」である。やりがいはあっても脅威は感じない。こうした安心感に満ちた職場をつくるうえで、リーダーは何をすべきか。本記事では、そのために有効な6つのステップが紹介される。


「信頼なくしてチームなし」

 グーグルで産業部門長を務めるポール・サンタガタは、このように言う。彼の言葉を裏付けているのは、IT界の巨人グーグルがチームのパフォーマンスを調査した、2年間におよぶ大規模調査の研究結果である。この研究によって、高パフォーマンスのチームには1つの共通点があることがわかった。それは「安心感」、すなわち、もし間違ったことをしても罰を受けることはないという確信である。

 安心感があると、適度なリスクを取ったり、思っていることを正直に明かしたりできる。創造性が高まり、安心して何にでも首を突っ込めることが、諸研究から判明した。どれもまさに、市場の従来の考え方の枠を大きく打ち破って解決策を見出す、ブレークスルーにつながる行動である。

 安心感はなぜ壊れやすいのか。また、不確実かつ相互に依存する現代で成功するうえで、安心感はなぜ不可欠なのか。

 その答えは、かつて進化の過程で脳に刻まれた適応反応にある。人間の脳は、上司やライバルである同僚、生意気な部下からの挑発を、生死にかかわる脅威として処理する。すると小脳扁桃(脳の中の警報ベル)が闘争・逃走反応にスイッチを入れ、より高次の脳中枢を乗っ取る。

 この「まず行動、それから考える」反応が起こると、広い視野で分析的に考える脳の機能がシャットダウンしてしまう。思考力が最も必要なときに、何も考えられなくなってしまうのだ。闘争・逃走反応は、生死に関わる危険に直面したときには有効だが、今日の職場で不可欠な戦略的思考にはマイナスに作用する。

 21世紀の成功は異なるシステムによって実現する。「拡張‐形成モード」(broaden-and-build mode)と呼ばれるポジティブな感情が、複雑な問題の解決や協力的関係の育成をもたらすのである。

 ノースカロライナ大学のバーバラ・フレドリクソンは、信頼や好奇心、自信、インスピレーションといったポジティブな感情が発想を広げ、心理的・社会的・物理的なリソースを生み出すことを発見した。安心感があると、人間はより寛容になり、回復力が強くなり、モチベーションが高まり、持続力も増す。ユーモアも増え、問題解決力や拡散的思考も向上する。いずれも、創造性を支える認知プロセスだ。

 やりがいはあっても脅威は感じない……職場がそういう場所であれば、チームは拡張‐形成モードを維持できる。脳内のオキシトシン・レベルが上昇し、信頼感と信頼構築につながる行動が引き出される。これはチームの成功を左右する大きな要因で、サンタガタもこう主張する。「テンポが速く、要求水準の高いグーグルの環境での成功は、リスクを取る能力、同僚の前で失敗できる能力にかかっているのです」

 では、チームの安心感を高めるには、どうすればよいのか。サンタガタがたどった以下のステップを実践してみよう。

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