米国でも売れる、人材マネジメント特集
個性豊かな「出る杭」人材を活かす方法

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個性が活き、創造性を発揮できる職場になるためには何が必要か。経営者、管理職、社員はどう行動すべきか。最新号の『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』11月号は米国でも売れる人材がテーマ。「『出る杭』を伸ばす組織」を特集しました。

生産性を高める
「建設的な不調和」

 米国ボストンで行われたハーバード・ビジネス・レビュー(HBR)編集部の世界会議に10月4日と5日、出席しました。12カ国の編集部のメンバーが集まり、各国での活動状況を報告し、意見交換を行いました。共通事項は、HBRを母国語に翻訳して出版するということだけで、その他の編集方針は各国それぞれです。

 表紙デザインは、元の米国HBR論文を題材にデザインすると似てきますが、微妙にお国柄が出ます。例えば、Burnoutに関するHBR特集を元に編集した日本のDIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(DHBR)9月号(特集「燃え尽きない働き方」)では、表紙を「燃える炎を消火栓で消すイラスト」を使いましたが、同じ特集を扱ったドイツ版の表紙は、「人が非常口から逃げるマーク」を大きく使っています。

ドイツ版HBR(左)と、日本版DHBR9月号「燃え尽きない働き方」(右)。

 日本のDHBRでは、テーマが重いので、表紙は明るめのほうが良いだろうと考え、白色をバックにデザインしましたが、ドイツ版HBRは全体が濃い緑色で、テーマ通りに重いデザインです。

 また、中国版HBR編集部では、ビジネス界がとにかく米国の知見や情報を知りたいという願望が強いためか、HBR論文はすべて中国語に翻訳し、表紙も米国に倣っているとのことです。一方、台湾版HBRは表紙がユニークで、人工知能(人口智慧。と書きます)特集の表紙にはピエロ面のロボットCGです。

 アラブ首長国連邦では、企業のほとんどがファミリービジネスなので、同編集部のオリジナル論文はファミリービジネスの相続や法人化などを扱うことが多いそうです。ウェブサイトの作りも各国各様で、米国や韓国では動画を活用しています。

 テーマで言うと、米国が日本の状況と似て、人材マネジメントを扱った特集号が売れる、とのこと。最新号のDHBR11月号(10月10日発売)の特集「『出る杭』を伸ばす組織」に掲載のHBR論文をお読み頂くと、日米の働く場の空気に共通項があることがわかります。意外にも。

「出る杭は打たれる」(才能を発揮して組織の中で抜きん出ると、他人から妬まれ、叩かれる)という諺が今も使われるのは、日本社会に根強い風潮であるからでしょうが、会社の中で、個性的な逸材が伸びにくいのは米国でも同様のようです。

 特集の第1論文は、今日のハーバード・ビジネス・スクール(HBS)の“rising star”(人気急上昇の希望の星)、フランチェスカ・ジーノ教授の「『建設的な不調和』で企業も社員も活性化する」です。本稿は、組織には元来、メンバーを「同調させる圧力」が働くということを実証研究で説明していきます。

 業績好調な企業では、マネジメントの成功という自己満足が蔓延し、経営者やマネジャーが同調圧力を強めます。一般社員はその力に屈し、職場で個性を自己抑制します。結果、仕事へのモチベーションや会社への忠誠心が下がり、創造性や生産性が低下していると論じます。

 筆者はその対処策として、意図的に「建設的な不調和」をつくることを提案しています。この思考の背景にある組織論と行動管理論、心理学の簡潔な解説も秀逸です。

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