部下のモチベーションは、
アメとムチでは上がらない

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部下のモチベーションをどうやって上げるのか。すべての上司にとって、これは永遠の課題とすら言えるだろう。服従に対して「アメ」という報酬を与えると同時に、自分に従わない人間に「ムチ」を与えるやり方は、短期的な成果を上げるには効果的かもしれないが、それは持続可能な方法ではない。部下が仕事に前向きに取り組めて、仕事の成果を上げられるように、上司は何をすべきか。本記事では、そのために有効な4つの「対話」が示される。


 部下のモチベーションを上げるのは、簡単なことに思えるかもしれない。実際、簡単なのだ。ただし、理屈のうえでは、である。

 モチベーションというコンセプト自体は明快だが、現実の状況において、部下のやる気を引き出すのは想像以上に困難だ。私たちはリーダーとして、チームの各人のモチベーションが何によって上がるかを理解し、それに応じて部下を管理する。なんと難しい仕事だろうか。大人数のチームや地理的に分散したチームを抱えるリーダーや、自分自身の仕事でも手いっぱいのリーダーにとっては、とりわけ大変だ。

 モチベーションを引き出すには、アメとムチが有効だとされている。ここでいう「アメ」とは服従に対する報酬、「ムチ」とは不服従に対する罰である。しかし、リーダーの唯一の仕事が服従させること、つまり他者に無理やり何かをさせることになると、やる気があるのはリーダーだけ、ということになってしまう。

 部下のモチベーションを上げる、異なる方法を考えてみてはどうだろう?私は、新しい対話のあり方を提案したい。

 モチベーションを上げるうえで最も大切なコンセプトは、部下がすばらしい仕事をするかどうかではなく、すばらしい気持ちで仕事に取り組めているかどうか、という点にある。仕事が好きだと思えるほど、部下の長期的なモチベーションも高まる。やる気を起こさせるために、伝統的なアメとムチ方式から離れて、斬新で有意義な仕事に関する対話を持つことは、できるはずだ。

 以下、その方法を説明しよう。

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