論文セレクション

「グローバル戦略の再構築」関連論文

『DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー』では毎月、さまざまな特集を実施しています。ここでは、最新号への理解をさらに深めていただけるよう、特集テーマに関連する過去の論文をご紹介します。

 2017年10月号の特集は「グローバル戦略の再構築」である。ここでは、多国籍企業のグローバル戦略に焦点を当てる。

 ヨーロッパでは英国のEU離脱にナショナリズム政党の台頭、北米ではトランプ大統領誕生で米国のTPP離脱にNAFTA見直しと、まるでギアがバックに入ってしまったかのようなグローバリゼーションの流れで、多国籍企業のビジネスに暗雲が立ち込める。その一方、新興国は高成長を続け、チャンスは確実に広がっている。中国企業は、アフリカや中近東の市場へ着々と進出を続ける。

 国内市場の成長が見込めない日本企業にとって、世界での収益拡大が今後ますます重要になるだろう。混迷期のいま、いかなるグローバル戦略を構築すべきなのか。

 ニューヨーク大学スターンスクール・オブ・ビジネスグローバルプロフェッサーのパンカジュ・ゲマワットによる「トランプ時代のグローバル戦略」では、多国籍企業が国境を超えて成功を収めるための処方箋が示される。保護主義圧力が急激な高まりを見せており、多国籍企業を取り巻く環境は従来にも増して複雑化している。海外からの全面撤退を促す論調が加速したり、完全な現地化を推奨する議論も支持を集めたりする中、ゲマワット教授はこうした極端な主張に依存することに警鐘を鳴らす。

 本田技研工業(ホンダ)代表取締役社長兼CEOの八郷隆弘氏へのインタビュー「ローカルで愛され、グローバルで儲ける」では、同社の海外戦略が語られる。地域の人に愛される車を現地生産する──創業者、本田宗一郎の理念を守り、日本企業の世界進出の先駆けとなったホンダ。同社は、規模の経済が効き利益率の高い「グローバル戦略車」を量産販売して儲ける一方、進出地域のニーズに適合した「地域戦略車」でローカル市場を開拓する両建て戦略を推進する。

 テラモーターズ/テラドローン代表取締役社長の徳重徹氏による「新興国で勝ち残る5つの鉄則」では、みずからの失敗から得た学びを通じて、特に先進国発のベンチャー企業が新興国で戦う際の鉄則が明かされた。テラモーターズは、電動バイク、電動三輪車のメーカーとして2010年に創業すると、わずか2年で国内シェア・ナンバーワンを獲得。以来、アジアの新興国を中心としたグローバル展開で成功を収め、いまや日本を代表するベンチャー企業の一つに成長した。だが、そこに到るまでの道のりは平坦ではなく、存続すら危ぶまれる大失敗を経験したこともある。

 ハーバード・ビジネス・スクール 教授のクレイトン M. クリステンセンらによる「市場創造型イノベーション:アフリカを開拓する新手法」では、未開拓のニーズを見つける方法を解説する。そのうえで、政策立案者、投資家、起業家に向けて、革新的な事業の数と影響力をどう拡大すればよいかを提案する。アフリカは天然資源に恵まれているほか、中間層が拡大するなど、急成長に必要な条件を満たす有望な市場であると見なされてきた。ところが、「アフリカの発展」は予測通りには実現せず、大企業の撤退も相次いでいる。しかし一方で、未開拓のニーズを見つけ、そこに市場をつくる「市場創造型イノベーション」で成功した企業やイノベーターも存在する。

 マッキンゼー・アンド・カンパニーエンゲージメントマネジャーのアイリーン・ユアン・サンによる「“世界の工場”は中国からアフリカへ」では、中国市場のいまを取り上げる。中国では一人っ子政策のせいで労働人口が減り、人件費の上昇が著しい。一方、アフリカは人口急増が始まったばかり。中国企業は安い労働力を求め、アフリカに工場を移設している。製造業は乗数効果が大きく、サービス業の雇用を誘発する。徐々に消費市場が大きくなり、経済が成長し、産業構造が高度化していく。政治的・経済的・社会的な課題は多いが、中国人はみずからが30年間で成長を果たしたことを知るため、アフリカの未来に楽観的だ。

 ブランダイス大学国際経済大学院教授のアルド・ムサッチオと、サイモン・フレイザー大学ビーディスクール・オブ・ビジネス教授のエリック・ウェーカーによる「フロンティア経済の攻略法」では、BRICsより低所得でハイリスクな地域を「フロンティア経済」と呼び、ここで成功を収めるための方法を提案する。本稿では、業界を、政府のコントロールが多いか少ないか、また顧客をどこに求めるか(その地域内の消費者を相手にするか、他地域への生産拠点とするか)によってマッピングし、ビジネスチャンスの眠る場所を探り当てる。また、それぞれのタイプに応じた戦略とリスクについても解説する。

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