上司として信頼されたければ、
部下への信頼を言動で示しなさい

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自分のことを信頼してもらえなければ、相手を信頼することはない。あなたは部下に対して、善意や信頼の気持ちを伝えているだろうか。あえて言葉にしなくても、暗黙のうちに理解してもらえると思い込んでいないだろうか。本記事では、上司・部下間の信頼を築き、それを持続させる処方箋が示される。


 経営幹部もマネジャーも、自身が率いるチームの信頼を築くことに多大な努力と時間を投じる。部下を信頼し、その見返りに部下からの信頼を得る、という両方を目指す。

 しかし調査によれば、従業員の多くは上司から信頼されているとは感じていない。その場合は往々にして、職場の生産性と意欲が阻害される。マネジャーは部下への信頼を、一貫性と配慮を持って伝える責任があるのだ。

 我々は10年以上にわたって、多数の企業と何百組ものマネジャーと従業員を対象に、上司・部下間の信頼関係の力学を調査してきた。そして我々および他の研究により、上司と部下の信頼の隔たりは連鎖反応することが実証されている。

 上司に信頼されていない従業員ほど、努力の度合いが低く、生産性も低く、離職する傾向が強い。一方、信頼されていると感じている従業員は、業績が高く、人一倍の努力をし、期待されている役割以上のことをやり遂げる。さらに、「上司は、重要な任務の完遂について自分を信じてくれている」と感じている従業員は、職場への信頼が厚く、より高い水準の働きをする。

 要するに、信頼が信頼を生むわけだ。人は信頼されれば、お返しに相手を信頼する傾向がある。ただし信頼に報いるには、まず本人が「自分は信頼されている」という「実感」を持つ必要がある。マネジャーは従業員をただ信頼するだけでなく、そのことを明示する必要があるのだ。

 我々は、信頼に関する研究および企業での調査活動に基づき、マネジャーが信頼を損なう最も重大な原因をいくつか把握した。また、どうすれば信頼をより明確にチームに伝えることができるかを明らかにした。

●マネジャーはいかにして、信頼を徐々に損なうのか

 相互信頼には、ある程度の「リスクテイク」と「内省」が必要だ。リーダーや企業が従業員への信頼を明示しない理由には、少なくとも以下の3つがある。

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