論文セレクション

「燃え尽きない働き方」関連論文

『DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー』では毎月、さまざまな特集を実施しています。ここでは、最新号への理解をさらに深めていただけるよう、特集テーマに関連する過去の論文をご紹介します。

 2017年9月号の特集では、「燃え尽きない働き方」と働き方に焦点を当てる。昨今、従業員の働き方に関する議論が盛んになされているものの、それは長時間労働の是正により心身の健康を図ろうというものが大半で、それ以外の観点での議論は深まっていない。現代のビジネスパーソンは、誰もが疲弊する可能性を持つ。本特集では仕事に対するモチベーションを維持しながら最大限力を発揮できるために、何が必要なのかを探る。

 マネジメント研究者、コーチおよびコンサルタントのモニク・バルコアによる「バーンアウトに打ち勝つ処方箋」では、バーンアウト(燃え尽き症候群)の症状と原因を理解し、これを防ぐ4つの戦略について取り上げたうえで、回復策と予防策についても論じる。絶え間ない仕事のストレスによって、バーンアウトに陥る人は多い。このような状態に陥ると、良好な人間関係を損ねるうえに、長期的なキャリアの可能性を閉ざしてしまうことが判明している。その問題は個人の業績と健康という公私両面だけに留まらず、個人がバーンアウトすると、チームや組織にも悪影響が及ぶこともわかっている。

バーンアウトの論点」で取り上げた論文(「社員のバーンアウトは企業の問題である」「マインドフルネスは戦略にも役立つ」「プレッシャーが必ずストレスに転じるとは限らない」)は、さまざまな視点からバーンアウトの解決策を提示する。まず、バーンアウトは企業の問題であることを認識すべし、という組織が取り組むべき課題を指摘したもの、また自分の心と体に向き合うマインドフルネスを戦略策定にも組み込もうというアイデア、さらにプレッシャーからストレスを誘発しないための対策を紹介する。

 スノーピーク代表取締役社長の山井太氏による「すべては、社員の幸せから生まれる」では、変革の要諦が明かされる。スノーピークは、事業規模の拡大のみならず、本社にキャンプ場を併設したり、特徴的なオフィス環境を用意したりするなど、社員の働き方の充実にも力を入れて注目を浴びる企業である。だが、山井太氏が代表取締役社長に就任した当時、長時間労働が常態化しながらも、業績はいっこうに上がらない過酷な労働環境であった。同社はいかにして、その状況を脱し、成長企業へと変貌を遂げたのか。そこには、自分たちはユーザーの幸せをつくるという信念、そして、そのためには社員自身が幸せに働かなければならないという哲学がある。

 ペンシルバニア大学ウォートンスクール教授のアダム・グラントと同研究員のレブ・リベルによる「『いい人』の心を消耗させない方法」では、利他的な人材の活力を維持する方策を示す。心の広い利他的な人は、他者を引き上げることにより成功する。損得を度外視して、有望な人やアイデアを支援する。知識を惜しげもなく披露する。やっかいな仕事もすすんで引き受ける。ただし、こうした「いい人」は組織で最も貴重な人材であると同時に、最も燃え尽きやすい一面をも持つ。自己防衛をしなければ、他者への尽力がたたって過大な負担と疲れを抱え、仕事の目標達成が遠のくこともあるだろう。どうすれば、そうしたひどい事態を避け、活力を維持し、成果を出し続けられるだろうか。

 ロート製薬代表取締役会長兼CEOの山田邦雄氏へのインタビュー「『健康』の追求が企業と社会の成長を促す」では、働き方に関する同社の施策を聞いた。ロート製薬は、社員の副業を認める「社外チャレンジワーク」や、部署の兼務を認める「社内ダブルジョブ」など、2016年から開始した働き方に関する取り組みで注目を浴びる。これらを始めた背景には、変わりゆく競争環境の中で、社員の健康はもちろん、「世の中を健康にする」企業でありたいという目標があった。働き方が変わることで、社員そして組織のあり方はどのように変化するのか。

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