変革に真に必要な力とは何か
――書評『ダークサイド・スキル』

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ハーバード・ビジネス・レビュー編集部がおすすめの経営書を紹介する連載。第58回は、木村尚敬氏によるダークサイド・スキル――本当に戦えるリーダーになる7つの裏技を紹介する。

人はきれいごとだけでは動かない

 日本企業に変革の必要性が叫ばれて久しいが、「失われた20年」とも言われるように、往時の勢いは取り戻せていない。グローバル化の進展や、人工知能などのテクノロジーの目覚ましい発展など、次から次へと起こる環境変化を乗り越えていくために、真の改革を実現するにはどうすればいいのだろうか。

 本書の著者の木村尚敬氏は、経営共創基盤パートナーとして、製造業を中心に、多くの企業の経営改革や事業強化などのコンサルティングに携わってきた。その経験から、改革のカギとなるのがトップにも通じ、現場の意見も吸い上げやすい立場にいるミドル層だという。そうしたミドル層を対象に、会社をよい方向に動かすためのスキルについて論じたのが本書である。

「ダークサイド・スキル」などというと何かおどろおどろしい印象を持つかもしれないが、改革を最後までやり遂げるには欠かせない力、と著者はいう。もちろん、ロジカルシンキングや財務・会計知識、プレゼンテーション力などの「日の当たる」スキル(「ブライトサイド・スキル」)によって理論的に武装することは必要なのだが、改革の成功には、全社を巻き込んでいく力が必要になる。そう、本書の帯にあるように「人はきれいごとだけでは動かない」。特に、改革に当たって古いものをやめて新しいものに変えようという時には、ひずみが出たり、反対運動が起きたり、わだかまりが生じたりする。これらを乗り越えて人を動かし、組織に影響力を与えるには、泥臭いスキルが必要になるのだ。

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