ノートPCの機内持ち込み禁止で、
企業機密はスパイの標的と化す

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米国はノートPCの機内持ち込み禁止を拡大しようと検討中だ。この措置によって、ビジネス旅行者のPCからデータが盗まれるリスクが高まるという。安全対策の専門家が勧める予防策とは何か。


 ノートPCは禁じられるのか、許されるのか。大勢の海外旅行者が、この問いに対する答えを固唾を呑んで見守っている。

 米国政府は、過激派組織ISIS(イスラミック・ステート)がノートPCやタブレット端末、その他の大型電子機器に爆発装置を隠す方法を編み出したとの確かな情報をつかんだ。このため2017年3月末、中東と北アフリカ地域の10空港から米国に向かう航空便を対象に、こうした電子機器の機内持ち込みが禁じられた。さらにトランプ政権は、その後、欧州発の便にも一連の禁止措置を広げる可能性があると示唆している。

 この見通しを受け、多くのジャーナリストや安全対策の専門家、トラベルライターは、禁止措置が取られた場合の影響を推測している。たとえば、航空会社の収益が減少する(ビジネス旅行者は、機内で仕事の遅れを取り戻せなければ海外出張を減らすかもしれない)。ビジネス旅行者は(スマートフォンでしか仕事ができないならば)時間を有効活用できなくなる。預け入れ荷物に電子機器を入れる分のスペースを要するのが不便である――。

 ただし、世界中で旅行業務を混乱させ数千億ドルものコスト負担を強いているテロ組織以外にも、禁止措置の拡大によって大きく得をすると思われる者たちがいる。それは、国際諜報機関だ。

 電子機器の持ち込み禁止措置が拡大された場合、諜報部員はどんな恩恵を享受するのだろうか。

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