気鋭のITベンチャー・ピボタルが
朝食を無料提供する3つの理由

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従業員がより良く働けるように、ベンチャー企業はオフィスでさまざまなサービスを実施している。だが、ピボタルが全従業員に朝食を提供するのは単なる福利厚生ではない。そこには、仕事をより円滑に進めるための3つの理由がある。


 わが社のサンフランシスコ本社では、毎朝8時30分から9時05分まで全従業員に朝食を無料で提供している。

 そこにあるのは、固くなったマフィンや乾いたベーグルなどではない。今朝、私が食べたのは、スロッピー・ジョー(ハンバーガーバンズにスパイスのきいたひき肉を挟んだもの)とチーズたっぷりのスクランブルエッグ、ジャーマンポテト、カリカリのベーコン、それにソーセージリンクだ。ヘルシーだろう? 明日こそ、ヨーグルトとフルーツにしよう。そうそう、ベジタリアンにビーガン、グルテンフリーというオプションも、もちろんある。なんといっても、ここはカリフォルニアだ。

 ここまで読んで、あなたは思ったはずだ。食事を無料で提供するのは、シリコンバレーのITシーンに仲間入りするための必要経費なのだろう。スタートアップのピボタルは、SoMa地区を拠点としている。ご近所にはエアビーアンドビーにドロップボックス、アドビ、スラック、セールスフォース、ウーバーなどがいる。だからもちろん、ピボタルだってケータリングされた食事を無料提供する。当然のことだろう。

 たしかに、その通りである。ただし、たとえ周囲の同業者がどこもケータリングされた食事を無料提供しなくても、わが社はやはりするだろう。その理由を説明するために、まずはピボタルの仕事のやり方を説明しよう。

 わが社のアプローチは、エクストリーム・プログラミングとアジャイル・プロセスに根差しており、作業環境の基盤としてペアプログラミングを社是にしている。つまり、2人のソフトウェア開発者が常に一緒に作業をする。それがルールだ。

 このペアには2つのモニター、2つのキーボード、そして2つのマウスがあてがわれているが、コンピューターは1台だけだ。操縦士と副操縦士が連携して働くのによく似ている。各自がそれぞれのコントロールパネルを操作するが、操縦するのは同じ飛行機なのと同じだ。

 たとえば、開発者Aが何かを打ち込んでいて、開発者Bがアイデアを思い付いたとしよう。開発者Aはキーボードとマウスを引き渡す代わりに、単に打ち込むのを止め、キーボードから手を離す。すると、開発者Bがすぐに打ち込み始める。思考の流れやつながりが途切れることはない。

 この種のコラボレーションは、1つのテクニカルな問題の解決にあたり、常に2人の要員がいることを意味する。たとえ開発者Aが宝くじに当たって翌日会社を辞めても、開発者Bがあらゆる段階をともにしてきたので、コードを把握しているのだ。

 ここで、朝食の話に戻ろう。

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