Going Digital 社会、市場のデジタル化を日本企業変革のチャンスにする

もはや1つの戦略では勝てない時代
破壊と修正、その繰り返しこそ重要だ

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ビジネスとテクノロジーを融合させたソリューションを創造するアクセンチュア・ストラテジーと「DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー」とのコラボレーションサイト、『Going Digital』も、すでに開設から1年半。この間、従来型のビジネスモデルで成長し続けてきた大企業においても、デジタル技術を活用したビジネス革新や新規事業の創出がますます重要性を増してきた。そこで2016年12月にアクセンチュア・ストラテジー・ジャパンの統括本部長に就任した牧岡宏氏と、本誌前編集長の岩佐文夫が、改めて「デジタル時代の経営戦略」について語り合った。

経営者の一番の悩みは
非連続的に進み続けるデジタル化への対応

岩佐 さっそくですが、現状、日本の経営者は世の中のデジタル化に対応し、経営戦略の変革を実現できていると思われますか。

牧岡 「世の中がデジタル化に向かっている」ことを理解していない経営者はいないでしょう。なぜデジタル化への対応が重要なのかという、「Why」の理解は進んでいると思います。しかし、何をすればデジタル化を自社の優位性として活かせるのか、この「What」がわからない経営者が非常に多い。そこを理解している経営者は、すでに手を打ち始めています。

岩佐 デジタル化がさらに進んだ時、自分たちのビジネスがどうなっているべきか、多くの経営者は具体的にイメージできていないのかもしれません。

牧岡 それもある意味、無理のない話かもしれません。不確実性の高い未来のことをいくら考えても「正解」はわからないからです。例えば、伝統的な場貸し型モデルの百貨店業界はこのままでは生き残れないことは明らかで、デジタルの脅威を痛切に感じているはずです。しかし、その打開策はこれだ、と明確に言い切れる人はいないし、脅威を自社の優位性に転換した姿を想像するのも難しいというところでしょう。だからといって、現状維持でいいわけがない。ならばどうすればいいのか、このWhatが見えてこないのです。

論理的に考える左脳経営と
感性を生かす右脳経営の両方が必要

岩佐 今の話に関連して言えば、私は「持続的競争優位」という考え方に関心があり、以前はジェイ・バーニーの『企業戦略論』などの書籍も作ったことがあります。でも、「持続的って何年のこと?」というのが、ずっとひっかかっていた。そうしたら近年リタ・ギュンター・マグレイス氏(コロンビア大学ビジネススクール教授)が「一時的競争優位」というものを提唱し始めました。

 要は、消費者や競合他社の動向予測は従来に比べて極めて難しいため、トップを走り続けるには常に新しい戦略を同時並行的に打ち出す必要があるという考え方です。一つひとつの戦略が有効な期間は短くても、一時的な優位性をつなぐように組み合わせることで長期にわたる競争優位を維持できるというわけです。

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