HRは「経験と直観」の時代から
「データ活用」の時代へ

「ピープルアナリティクス・カンファレンス2017」 レポート

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動き始めた日本のHRテック

佐野一機
タレンティオ 代表取締役社長兼CEO

戦略コンサルタントを経て2009年11月にファウンデーションズを設立、オーガニックヘアケアブランドを展開。2011年12月よりサティス製薬に参画、取締役として製造業の経営に従事。2015年4月、家入一真氏とキメラを設立。2016年9月よりキメラの子会社であるタレンティオの代表取締役に就任。2017年3月にタレンティオの全株式をフリークアウト・ホールディングスに譲渡しグループに参加。趣味は放浪とカメラ。 グロービス大学院大学(MBA)修了。

 では、日本において、マルコム・グラッドウェルが提議したように本当に「ヒト」に関するデータ分析は成果につながるのであろうか。日本でも有効求人倍率がここ数年では最も高い数値になり、連日「人手不足」というニュースが掲載されている。長期的に見ても、少子高齢化社会であり、これからも労働力が不足していく時代である。これまでと同様のことをやっていては、よい採用はできない。また、これまで以上に少人数でも成果を上げられるよう留意することも重要であり、入社後の生産性も重要なテーマになっている。

 つまりは、競争力の源泉はカネやモノではなく、完全に「ヒト」になる時代になっている。こういった危機感は政府は強く持っており、「働き方改革」として大々的に取り組んでいる。いずれにしても、これまでのように「経験や直観」だけではなく、シビアに成果を求めるマーケティングの領域のように、数値によるファクトを押さえることが当たり前になる時代に変化していく必要があるのだ。こういった背景もあり、最近は、日本でも「HRテック」「ピープル・アナリティクス」といった領域について興味関心が高まっているかと思う。 

 フェイスブックの事例でもあったように、「マイノリティはデータが十分に無いため、正確な分析ができない」のはある側面では事実ではあるが、定量データだけで意思決定を行うということはそもそも少ない。つまり、定量データが十分ではなかったとしても、有効な示唆が得られるように補完する定性情報を設計すれば分析は可能である。

 いずれにしても、まずは大前提として情報を整理し、仮説を出し、それを裏付ける分析を定量・定性データから行い、必要な示唆を得て「次の最善手」を導いていくことが「人事」の最も重要な役割になっていくのではないだろうか。

 後編は「エンゲージメント」にフォーカスし、ピープルアナリティクスがどのように動機づけに活用されているか、具体的な事例と共に紹介する。

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