働きすぎの現状を
上司にどう伝えるべきか

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自分のオーバーワーク状態を解消するためには、上司としっかり話し合うことが避けられない。その際、どんな姿勢と言葉をもって問題を伝えるべきなのだろうか。専門家が助言する。


 近頃は、仕事を抱えすぎている人が多いようだ。自分は働きすぎだと誰もが感じ、不満を口にしている。

 では、仕事量が多すぎることを上司に単刀直入に伝えるには、どうすればよいのだろう。怠惰、仕事にコミットしていない、チームプレーができない――そんな社員のようには誰しも思われたくない。勤勉というイメージを守りながら、もう限界であることを伝えるにはどうすればよいか。

●専門家のアドバイス

 どんなに多忙を極めていても、仕事量が多すぎることを上司に告げるのは非常に難しく感じられる場合がある。

 生産性の専門家で、『上位10%の人は知っている、仕事がうまくいく方法』の著者であるジュリー・モーゲンスターンによると、それには2つの理由があるという。

 まず、過重労働だと訴えることで仕事を失うのではないか、という心配だ。「内心でこう感じているのです。自分が仕事をこなせなければ、他の誰かがやるだろう。自分は代えが効く消耗品にすぎない、と」。次に、「生来の気質として、こう思い込んでしまう人がいます。自分は頑張りが足りない、賢さが足りない、十分に能率的でない。もっとうまくやらなければいけない、と。そのため誰にも悩みを打ち明けられず、苦しんでしまうのです」

 しかし、それは危険である。チームマネジメントの向上を支援する3COzeの共同創設者で、You First: Inspire Your Team to Grow Up, Get Along, and Get Stuff Doneの著者であるリアン・デイビーは、次のように指摘する。「野心のため、あるいは上司を感心させるために、無理して頑張るとしましょう。それでも完遂できない、または急ごしらえで仕事の質が低いとなれば、信頼できないという悪印象を与えてしまいます」

 したがって、仕事に押し潰されていると感じたら、本当に上司に知らせるべきなのだ。以下に、上司との会話を円滑に進める方法をいくつか紹介しよう。

●自分に寛大になろう

 過重労働にあえぐのは、平均以下の社員だからだというわけではない。「自己評価が厳しすぎてはいけません。たいていの組織や企業は、より少ない資源でより多くのことをやろうとします。そのため、仕事の量は必要時間よりも多いものです」(モーゲンスターン)。

 優秀な人が、時折仕事の依頼を断ったり猶予を求めたりしても、「それは怠慢な振る舞いではなく、評判が落ちることもありません」。むしろ、時々「ノー」を言うことで信用が高まるのだという。「上司が部下に望んでいるのは、最高のパフォーマンスを妨げる何かがあったら遠慮なく言ってもらうことです」

 与えられた仕事を全部はこなせないと認めることは、気が引けるものだ。しかし、そうすることは「組織への責任」なのだとデイビーは言う。「行き詰まったまま任務を果たせなければ、チームを窮地に追い込みます」

●他者に助言やサポートを求めよう

 忙しすぎると思ったら、仕事量を他者の視点から見てもらうのがよいとモーゲンスターンは言う。「第三者を通して、現実に立ち返ることができます」。自分のプロジェクトと責務の概要を、信頼できる友人や同僚に説明するとよい。仕事量を見てもらい、1人で抱えるには多すぎるかどうか、正直な意見をもらうのだ。

 また、上司にアドバイスを求め、過重労働への対処法を指導してもらうのもよいとデイビーは言う。そうすることで何を期待されているかが明確になり、仕事の効率アップにもつながる。「たとえば、『私は財務部へのレポートの作成に月5時間ほどかかっています。これはあなたの期待に叶っているでしょうか。作業プロセスを合理化する方法について、何かアドバイスをいただけませんか』と持ちかけるのです」。結局のところ、「上司も同じように、大変な思いをした経験があるはずです」

●解決策をみずから提案しよう

 自分の仕事量について上司と率直に話すには、相応の適切な姿勢が必要だとモーゲンスターンは述べる。「自分と上司で、会社の目標を達成するためのパートナー同士になるのです」

 話し合いのはじめに、「会社全体の目標」について触れ、自分と上司の考えが一致していることを確認する。その後、全社目標を達成するうえで何が自分の障壁となっているかを説明する。できる限り具体的に示そう。たとえば、「この案件は大量のリサーチを必要とするので、時間がかかっています」または「自分はいまではチームを管理しています。以前よりもプランニングに多くの時間を割いているため、日常的な業務に費やす時間が十分にありません」といった具合だ。

 そして、次の段階が非常に重要となる。ここで、問題を解決するためのアイデアを3つ提案するのだ。たとえば、ある業務を毎月ではなく四半期ごとにする、同僚にサポートに加わってもらう、仕事量の負担を減らすために会社に臨時スタッフを雇ってもらう、などだ。「解決策がなければ、上司に問題を持ちかけるべきではありません」(モーゲンスターン)。ここでの目標は、どのプロジェクトが「延期、委譲、中止、縮小」できるのかをはっきりさせることだ。

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