CEOは「反トランプ」を表明すべきか、
それとも事態を静観すべきなのか

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米企業トップにとって、トランプ政策への反対の意思を鮮明にすべきか、沈黙または穏便を保つかは難しい問題だ。トランプ政権下では、特に3つのリスクを懸念して多くのCEOが慎重姿勢であるという。


 米国人は、企業の経営トップが政治問題への持論を表明することには慣れている。しかし、先頃の週末(1月27~29日)のような状況は滅多に見られるものではない。トランプ大統領は27日、イスラム圏7ヵ国からの米入国を90日間禁止するよう命令。そして数時間のうちに、複数のCEO(主にハイテク業界)が批判の声を挙げ始めた。

 ネットフリックスCEOのリード・ヘイスティングスは、大統領令を「非米国的」とし、国の「安全性を損なう」ことになると予告した。

 サンフランシスコ国際空港では、グーグル共同創業者のセルゲイ・ブリンがデモに参加。「私がこの場にいるのは、自分も難民だから」だと宣言した(ブリンはロシアに生まれ、家族は1979年に米国に移住。デモには個人として参加しており、グーグルを代表するものではないと説明した)。

 スターバックス創業者のハワード・シュルツは、今回の措置は人権とアメリカンドリームへの攻撃であると述べ、今後5年間で1万人の難民を雇用すると約束した(訳注:その後、米国人よりも他国民を優先するのかという反発が拡大。これを受け、シュルツは2月2日に米退役軍人の雇用促進を発表した)。

 休日が終わる頃にはグーグルとリフトを含む数社が、トランプを批判する米国自由人権協会への多額の寄付を表明。週が明けると、JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスを含む第二群が、入国規制を非難する社内メモを出し始めた。

 賛成できない政策に、抗議の声を挙げるべきか否か。いつ、どのようにそれを実行すべきなのか。CEOと広報部にとって、これらを決めるのは難しい。企業がこのジレンマにたびたび直面するであろうことは、トランプ政権発足から2週間も経たずして見えてきた。

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